「不景気の時期こそUTM」
フォーティネット、UTMを10Gbps環境フル対応に
2008/10/20
フォーティネットジャパンは10月20日、UTM(統合脅威管理)アプライアンスの最上位機種「FortiGate-5000」シリーズを強化する新しいモジュールを発表した。サービスプロバイダーやデータセンター、大規模企業向けに、10Gbpsクラスのパフォーマンスを提供できるという。
ForiGate-5000シリーズは、モジュール型のアーキテクチャを採用したUTM製品だ。ファイアウォールやVPNなどのネットワークレベルのセキュリティ対策に加え、アンチウイルス、不正侵入防御、アンチスパムやコンテンツフィルタリングといったコンテンツレベルのセキュリティ機能を提供する。モジュールの追加によって、必要に応じて性能を向上できること、Advanced Telecom Computing Architecture(AdvancedTCA)に対応していることなどが特徴だ。
新たに追加されたブレードモジュール「FortiGate-5001A」は、10Gbpsクラスのネットワーク環境に対応するパフォーマンスを実現している。単体でのスループットはファイアウォールで2Gbps、VPNで1Gbpsだが、オプションのAMC(Advanced Mezzanine Card)拡張スロットを搭載すると、それぞれ13Gbps、7Gbpsまで拡張可能だ。筐体全体では、ファイアウォールで最大182Gbpsのスループットを実現するという。
併せて投入される、10Gbps対応のファブリックチャネル(バックプレーン)「RTM-XB2」、同じく10Gbps対応のスイッチハブブレード「FortiSwitch-5003A」を組み合わせることで、コストパフォーマンスに優れた形で10Gbps環境にUTMを導入することができる。
同社マーケティング本部長の西澤伸樹氏は、「ネットワークの世界において音声からデータへと主役が交代したように、セキュリティにおいても、ファイアウォールやVPNといった単体の製品からUTMへのシフトが起きつつあり、今年を境にそれがクロスするだろう。不景気の時期のテクノロジとしてUTMは伸びていく」と述べている。
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