認証サーバソフトウェアの最新版を搭載
RSA、「トークンなくした」対応の手間を省く認証アプライアンス
2008/12/16
RSAセキュリティは12月16日、ワンタイムパスワードトークン「RSA SecurID」と連携して認証処理を行うアプライアンスサーバの新製品「RSA SecurID Appliance」、2モデルを発表した。
RSA SecurID Applianceは、同社がソフトウェアとして提供している認証サーバ「RSA Authentication Manager」を、LinuxベースのOSの上に搭載したアプライアンスサーバだ。ワンタイムパスワードを生成するトークンと組み合わせることにより、パスワードだけの場合と比べて強固な二要素認証を行うことができる。
エントリーモデルの「A130」と冗長化電源/HDDを搭載したハイエンドモデル「A250」の2機種がある。A250は単体で冗長化に対応しているほか、これら2つのモデルを任意にプライマリ-セカンダリで組み合わせた冗長構成も可能だ。これにより、高い信頼性と拡張性を実現している点が新モデルの特徴だという。
また新モデルは、8月にリリースされた「RSA Authentication Manager 7.1」を搭載している。Windowsデスクトップ認証への対応に加え、デバイスが手元になくとも必要に応じてワンタイムパスワードを配布できる「On-Demandトークン」、災害時などに一時的に多数のユーザーがワンタイムパスワード認証を行える「Business Continuity Option」といった、このバージョンで実装された新機能を利用できるようになった。
さらに、運用管理を容易にするための機能も備えている。SNMPによる監視やパッチ管理/ロールバックといった、アプライアンス自体のメンテナンス機能に加え、ワンタイムパスワード認証を運用していく上で遭遇する「トークンをなくした」「PIN番号を忘れた」といった問い合わせに対応する手間を省く機能が追加された。具体的には、ユーザー自身がトークンの管理や紛失時の対応などを行える「セルフ・サービス機能」、トークンの申請・承認・配布といった流れを自動化する「プロビジョニングのワークフロー化」だ。
RSAセキュリティのマーケティング統括本部プロダクトマーケティングマネージャ、水村明博氏は、こうした機能によって「RSA SecurID Applianceを認証基盤の中心に置き、簡単で効率のいい運用管理を行える」と述べている。
価格は、100ユーザーでA130 Base Editionが209万8950円、A250 Base Editionが275万1000円。A130に25ユーザー分のトークンを同梱したバンドルキットは102万9000円。2月5日に出荷を開始し、今後3年間で2000台の販売を目指すという。
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