ヤマハとトレンドマイクロが協業
SOHO向けルータ「SRT100」で端末のセキュリティチェック
2008/12/16
ヤマハとトレンドマイクロは12月16日、中小企業のセキュリティ強化を目的に協業することを発表した。ヤマハのファイアウォールルータ「SRT100」と、トレンドマイクロの法人向けセキュリティ対策ソフトを連携させ、クライアントで適切に対策が取られているかどうかをチェックし、適合しない端末の外部接続をブロックできるようにする。
SRT100はSOHOや中小拠点を対象とした小型ルータ。ルーティングやファイアウォール、VPNといった機能に加え、ポリシーに基づいてコネクション単位で通信を制御する「ポリシーフィルタ」、P2Pファイル共有ソフトの通信をブロックする「Winnyフィルタ」「Shareフィルタ」といったセキュリティ機能を備えている。サードパーティ製のURLデータベースと連動したWebフィルタリングも可能だ。
トレンドマイクロとの協業では、企業向けセキュリティ対策ソフト「ウイルスバスター 8.0」もしくは「TrendMicro ビジネスセキュリティ 5.0」と連携。2009年1月中に提供予定のSRT100の向けファームウェアでは、これらセキュリティ対策ソフトの管理サーバと連携し、LAN側の端末に対策ソフトが導入されているかどうか、またパターンファイルが最新であるかどうかを確認する「ポリシーチェック機能」が実装される。ポリシーに反するクライアントについては外部へのHTTP接続をブロックすることで、Web経由のマルウェア感染や情報漏えいを防ぐ仕組みだ。
両社は、クライアントに新たなエージェントなどを導入したり、既存のネットワークに変更を加えることなく導入できること、導入後は設定のアップデートが不要なことなどが特徴だとしている。ヤマハは今回の協業により、今後1年間でSRT100の3000台の販売増を見込む。
関連記事
情報をお寄せください:
- Windows起動前後にデバイスを守る工夫、ルートキットを防ぐ (2017/7/24)
Windows 10が備える多彩なセキュリティ対策機能を丸ごと理解するには、5つのスタックに分けて順に押さえていくことが早道だ。連載第1回は、Windows起動前の「デバイスの保護」とHyper-Vを用いたセキュリティ構成について紹介する。 - WannaCryがホンダやマクドにも。中学3年生が作ったランサムウェアの正体も話題に (2017/7/11)
2017年6月のセキュリティクラスタでは、「WannaCry」の残り火にやられたホンダや亜種に感染したマクドナルドに注目が集まった他、ランサムウェアを作成して配布した中学3年生、ランサムウェアに降伏してしまった韓国のホスティング企業など、5月に引き続きランサムウェアの話題が席巻していました。 - Recruit-CSIRTがマルウェアの「培養」用に内製した動的解析環境、その目的と工夫とは (2017/7/10)
代表的なマルウェア解析方法を紹介し、自社のみに影響があるマルウェアを「培養」するために構築した動的解析環境について解説する - 侵入されることを前提に考える――内部対策はログ管理から (2017/7/5)
人員リソースや予算の限られた中堅・中小企業にとって、大企業で導入されがちな、過剰に高機能で管理負荷の高いセキュリティ対策を施すのは現実的ではない。本連載では、中堅・中小企業が目指すべきセキュリティ対策の“現実解“を、特に標的型攻撃(APT:Advanced Persistent Threat)対策の観点から考える。