再発防止に向けた対策本部を設定
IPA、情報流出で当該職員に停職3カ月の処分
2009/01/19
情報処理推進機構(IPA)は1月19日、職員の私物PCからの情報流出事件に関する分析続報を発表した。当該職員に停職3カ月の処分を下したほか、再発防止に向けて「情報流出対策本部」を設置したことも明らかにした。
このIPA職員は、2008年12月に自宅でWinnyやShareといったP2P型ファイル共有ソフトウェアを利用し、ウイルスに感染した。この結果、私物PCに保管されていたIPAのイベント関連の写真のほか、この職員が以前務めていた企業での個人情報などがインターネットに流出した。
IPAでは1月6日にこの件に関する記者会見を行っているが、その後も、職員に対する事実確認やPCの解析を進めてきた。
その結果、流出したファイルにはいくつか重複があり、流出したファイルは約8600件程度にとどまる見込みという。また、新たに「海外出張伺い」の下書きデータの流出が確認されたというが、IPA関連の「非公開情報」の流出は確認されなかった。ただ、当該職員が以前所属していた企業での業務関連情報については、関連する企業が若干増え、10数社あることが判明したという。IPAでは引き続き、こうした企業に対し、流出情報の突き合わせをはじめとするサポートを行うとしている。
IPAでは同日付で、「当機構の信用を傷つけ、名誉を汚したことなど」を理由に、就業規則に基づいて当該職員に停職3カ月の懲戒処分を下した。またセキュリティ対策を推進し、ファイル交換ソフトの使用に注意を喚起してきたというIPAの立場から、1月7日にIPA理事長を本部長とする情報流出対策本部を設置。「職員の私物PCにおけるファイル交換ソフトの使用禁止」「全職員への研修会実施」などを通じて再発防止に取り組んでいるという。
私物PCにおけるファイル交換ソフトの使用禁止に関しては、職員からの誓約書の提出が基本となるが、「規範面、技術面も含め、再発防止策の充実を図りたい」(IPA理事 仲田雄作氏)としている。
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