大規模ネットワークでは端末管理も課題、とシマンテック
企業の懸念は「USBメモリ介した脅威の侵入、情報漏えい」
2009/02/05
シマンテックは2月5日、「クライアントPCのセキュリティに関するアンケート結果」を公表した。このアンケートは、企業のネットワーク・セキュリティ業務従事者を対象に、2008年9月2日から16日にかけてWeb上で実施された。今回は2回目の実施で、441件の有効回答が得られた。
勤務先で対策が必要と思われるセキュリティ脅威について複数回答で尋ねたところ、「USBメモリによる情報漏えい」が51%で最多となった。また、「コンピュータウイルス/ワーム」と「USBメモリなどから侵入するウイルス/ワーム」がいずれも35.1%と高い数字となった。
また、ウイルスやスパイウェアといったセキュリティ脅威の侵入経路として最も影響の大きいものを尋ねたところ、「スパムや偽メールの添付ファイル」が25.6%、「本文にURLを含むスパム/偽メール」が19.0%となり、メールを介した脅威が多くを占めた。だがそれ以上に多く挙げられたのが「USBやCDなどのメディア」で、33.3%に上り最も多かった。
これを踏まえ、シマンテックのリージョナルプロダクトマーケティングマネージャ、広瀬努氏は、「メールを媒介とした侵入が気にされているが、USBやCD経由も3分の1を占めている。USBメモリは安価で一般化していることもあり、それが侵入経路になることのへの懸念が高まっている」と述べた。
調査からはまた、現行のウイルス/スパイウェア対策製品への不満として「PCへの負荷が高い、重い」(48.8%)、「スキャンの時間が長い」(40.1%)ことが主に挙げられていることが判明。また、1000台以上のPCを運用する大規模企業では、端末を管理するアプローチとして検疫ネットワークに対するニーズが比較的高いことが明らかになった。
広瀬氏は、USBを介した情報漏えいや侵入、それに大規模システムでのクライアントPC管理が課題になっていると述べ、「シマンテックではこれに対して、『Symantec Endpoint Protection 11.0』による総合的な対策の重要性を訴えていきたい」と述べている。
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