「3年後には売上高4倍」、ソフォスが戦略発表
ウティマコ製品統合で情報漏えい対策もカバー
2009/02/24
ソフォスは2月24日、今後3年間の事業戦略を発表した。これまで軸としてきたエンドポイントセキュリティやNAC(Network Access Control)製品に、昨年買収した独・ウティマコセーフウェアの暗号化製品を加え、3年後には売上高を4倍に伸ばす計画だ。
同社は「Sophos anti-virus」や「Sophos Endpoint Security and Control」といった、エンドポイントセキュリティ製品を提供してきた。WindowsだけでなくMac OS XやLinux、UNIXなど、幅広いプラットフォームに対応していることが特徴で、国内では中央官庁・自治体のほか、早稲田大学をはじめとする教育機関など、3500社の顧客がある。
2008年10月には、ドイツのウティマコセーフウェアを買収し、情報漏えい対策製品を強化した。「これまでソフォスというと、エンドポイントのアンチウイルス、アンチマルウェアというイメージがあったと思うが、暗号化技術を持つウティマコの買収により、包括的なセキュリティとコントロールを提供できる」(英ソフォスの上級副社長、マイケル・マクギネス氏)。今後半年以内にまず管理コンソールの主要な機能を統合し、2年をかけて、両社製品の統合を進めていくという。
1月に日本法人の代表取締役社長に就任した堀昭一氏は、「セキュリティというと、外部からの脅威への対策やクリーンナップに焦点が当たることが多かったが、社内にあるデータが外に出てしまう問題もある。ウティマコの暗号化技術を利用することで、たとえ情報が外部に出たとしても、ほかの人がアクセスできないようにする」と述べた。
堀氏は、ウティマコとの統合に加え、パートナーシステムの強化、ダイレクトタッチセールスの強化といった施策を通じて、3年間で売り上げを4倍に伸ばし、ソフォス全体の売り上げの20%を占めることを目標に掲げる。パートナー各社でソフォス製品の販売に携わる人員を3年後に2000名に増やすほか、Linuxなど、まだ浸透しきっていない市場に強いパートナーの開拓などに取り組む。
昨今の景気後退を背景に、顧客企業のIT予算の抑制が懸念されるが「その分、競合他社からシェアを獲得する」(堀氏)。マルチプラットフォーム対応に加え、定義ファイルが軽く運用管理の手間が少ないことなどを武器に、目標達成を目指すという。
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