ポリシーチューニングなしで導入可能
バラクーダ、大規模サイトにも「かんたん導入」のWAF製品
2009/05/29
バラクーダネットワークスは6月1日、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)アプライアンスの新モデル「Barracuda Web Application Firewall モデル860/960」の販売を開始する。
同社はこれまで、スパム対策アプライアンスにはじまり、WebフィルタリングやSSL VPN、メールアーカイブ、負荷分散といったさまざまなアプライアンス製品を提供してきた。2008年7月末には、米NetContinuum買収を踏まえ、初のWAFアプライアンスを発表。中小企業向けに「360/460/660」の3モデルを、一方大規模サイト向けには旧NetContinuumの製品を継承した「Barracuda Web Application Gateway」を提供してきた。
新製品は、Barracuda Web Application Gatewayと同様に大規模サイトをターゲットとしながら、モデル360/460/660と同等の導入・運用の容易さを実現したもの。
旧NetContinuum製品では、Webアプリケーションに応じてポリシーをチューニングし、正しいと思われるトラフィックのみを通すホワイトリスト方式で攻撃を防ぐ。ただこの場合、導入までに多くの手間とコストを要していたほか、導入後もチューニングを継続する必要があった。
バラクーダネットワークスジャパンのゼネラルマネージャ、仁木均氏は、「WAFというと、高価で、チューニングが必要なため導入の敷居が高いという印象が強い。また、Webアプリケーション側を更新するたびにチューニングの調整が必要となることも、運用の手間を増やしていた」と指摘する。
これに対しBarracuda Web Application Firewall モデル860/960は、同社が提供するシグネチャを利用し、ブラックリスト方式でSQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング、DoS攻撃といったWebアプリケーションの脆弱性を狙う攻撃を検出し、ブロックする。チューニングが必要ないため、迅速かつ手軽に導入できることが特徴だ。同社代表取締役社長のナイル・キング氏は、「バラクーダのほかの製品にも共通する『簡単に導入でき、設定でき、運用できる』というコンセプトを、中小規模から大規模サイトに至るまで、一貫したコンセプトで提供できる」と述べている。
なおシグネチャは、世界中に導入されているアプライアンスから収集した情報を基に作成され、「エネルギー充填サービス」を通じて更新される。価格は、モデル860が856万5000円、960は1199万5000円。1カ月間の無償評価機貸し出しサービスも提供する。
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