独自高圧縮技術を活用
PBC、最短1秒間隔で画面を録画し不正操作を抑止
2009/07/01
パシフィックビジネスコンサルティング(PBC)は6月30日、コンピュータの画面を連続的にキャプチャすることによりユーザーの操作を把握し、情報漏えいに対する抑止力を高めるセキュリティソフトウェア「AquaGuard」を発表した。
AquaGuardは、監視対象となるPCにインストールする「モジュール」と、画像情報を収集、管理する「AquaGuardサーバ」、管理コンソールから構成されている。最短1秒の間隔で画面キャプチャ画像を収集することで、ログ監視だけでは実現できなかった「不正」の証拠を残すことが可能だ。この結果、抑止力を高め、情報漏えいなどにつながる不正な操作を未然に防止するという。
特徴は、独自開発のアルゴリズムに基づき、高い圧縮率で画像データを圧縮できることだ。このため、ネットワーク帯域への負荷が少なくてすむほか、仮に操作画面を8時間記録しても、1ユーザー当たり必要なHDD容量は30MB程度に抑えられるという。ほかに、ユーザーがAquaGuardを勝手に無効化できないようにする機能や、オフラインでも操作画面を記録する機能を備えている。
PBCではAquaGuardの連続画面記録機能により、権限を持ったユーザーによる情報の不正な持ち出しを監視し、内部抑止力を高めるとともに、「情報の漏えいが行われなかったこと」の証明が可能になると説明。金融・保険機関や官公庁、地方・海外拠点を多く持つ企業への導入を見込む。
AquaGuardには、「スタンダード版」と「プロフェッショナル版」の2種類がある。スタンダード版は、画面をキャプチャして記録する基本機能を提供する。プロフェッショナル版はスタンダード版の機能に加え、あらかじめ定めておいた不正な操作を検出すると管理者に警告する「アラーム機能」や画面をロックする「コントロール機能」などを備えている。価格は、スタンダード版のクライアントライセンスが3万5000円、サーバライセンスが70万円から。7月7日より販売を開始する。
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