管理機能などを省いて割安に提供
シマンテック、中小企業向けに安価なセキュリティ製品
2009/08/04
シマンテックは8月4日、従業員数100名以下の中小企業を対象としたPC向けセキュリティ対策製品「Symantec Endpoint Protection Small Business Edition」を発表した。価格は、5〜24ライセンスの場合で1ライセンス当たり5100円から。
同社が中小企業を対象に行った調査によると、専任のIT管理者を置かない企業の比率は、グローバルの50%強に対して日本国内ではずっと多く、7割近くに上るという。専門知識を持った人材が少ないことに加え、セキュリティ設備の予算不足や作業時間の不足も、セキュリティ対策を阻む要因として挙げられている。
Symantec Endpoint Protection Small Business Editionはこうした背景を踏まえて提供される製品で、低コストで最適なセキュリティ機能を提供するという。具体的には、ウイルス/スパイウェア対策機能やパーソナルファイアウォール機能に加え、マルウェア感染によって改ざんを受けた設定ファイルやレジストリの修復機能などを備えている。また、GEB(Generic Exploit Blocking)という仕組みによって、OSやアプリケーションの脆弱性を狙った未知の攻撃を検出、ブロックすることも可能という。
2008年に発表された企業向けエンドポイントセキュリティ製品「Symantec Endpoint Protection」と同様、動作の軽さとパフォーマンスの高さが特徴だ。ただ、少人数のオフィスで利用されることを想定し、コンソールによる集中管理機能やネットワークアクセスコントロール機能を省いてライセンス価格を抑えた。また、インストール時に表示される設定項目数を減らし、少ない手間で迷わず導入できるようにしたという。
シマンテックは同時に、Endpoint Protectionに、バックアップ/リカバリ製品を加えたセキュリティスイート製品「Symantec Protection Suite Enterprise Edition」および「Symantec Protection Suite Small Business Edition」もリリースした。データの保護に加え、万一端末に不具合が生じたときに、簡単に元の安定した状態に戻せるようにした。エンタープライズ向けエディションではさらに、メールセキュリティ機能も追加している。
同社によるとこれらスイート製品は、個別に製品を購入する場合に比べ、Small Business Editionは最大20%、Enterprise Editionは最大70%安価なライセンス価格で導入できるほか、サポート窓口が一元化できるため、運用コストの削減にもつながるという。1ライセンス当たりの価格は、Symantec Protection Suite Small Business Editionが1ライセンス当たり1万3800円(5〜24ライセンスの場合)、同Enterprise Editionは8000円(1000ライセンスの場合)。
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