「今年こそは」のリベンジ組も
セキュリティ&プログラミングキャンプ2009、開講
2009/08/13
高度なIT人材の早期発掘・育成を目的とした「セキュリティ&プログラミングキャンプ2009」が、8月12日より16日にかけて行われている。
セキュリティ&プログラミングキャンプは、IT技術者の空洞化という問題に対処すべく、22才以下の学生を対象に、セキュリティやプログラミングに関する正しい知識を習得させることを目的としたイベントだ。ひいては、国際的に通用する優秀な人材の発掘、育成も目指している。
キャンプという名前の通り、セキュリティおよびオープンソース、プログラミングに関する正しい知識を、4泊5日の合宿形式で缶詰めになって学ぶ。「セキュリティコース」と「プログラミングコース」の2つがあり、それぞれさらに専門的なコースに分かれて座学と実習を行う予定だ。期間中には、IT企業の見学会や専門家による特別講演も行われ、IT業界の生の姿に触れることができる。
6回目となる今年のキャンプには、368名の応募者から選ばれた61名が参加した。多数派は大学生(23名)だが、中には3名の中学生も参加している。また、過去のキャンプ卒業生のうち志願者がチューターとして参加し、講義はもちろん、合宿生活をさまざまな面から支援する。
初日の開講式において、キャンプ実行委員長を務める三輪信雄氏ら大人側の代表者は、知識の習得もさることながら、この期間を通じて一生付き合える「仲間」を見つけてほしいと参加者に呼び掛けた。
キャンプ参加者の学生に聞くと、開講前からTwitterやmixiといったツールを利用してコミュニケーションを図ってきたというが、「キャンプは出会いの場。実際に顔を突き合わせ、一生の仲間を見つけてほしい」(日本情報処理振興協会 常務理事 鈴木茂樹氏)。
最初の全体講義では、セキュリティの基礎をテーマにグループディスカッションを行ったが、例えば「あまりセキュリティ知識を持たない人に、どんな対策を伝えればいいか」という問いには、Webブラウザの設定を見直すという基本的な対策に加え、「仮想マシンを使う」「ブートするたびに新しいクリーンな環境が立ち上がるようにする」といった答えが飛び出していた。
キャンプにかけるさまざまな思い
セキュリティコースを選んだある高専生は、「周りには、よく分からないままファイル共有ソフトを利用してしまっている人もいるが、きちんとその危険性を伝えられるようにしたい」と抱負を述べている。
今年2回目となるプログラミングコースは「OS自作組」「プログラミング言語組」「Linuxカーネル組」に分かれている。OS自作組に参加したある大学生は、「大学でハードウェアを専攻しているが、コンピュータアーキテクチャを学ぶことで研究にフィードバックしていきたい」と述べた。その一方で「Webアプリケーションについてはある程度知っているけれど、OSやハードウェアのことはよく分からないので、この場で学びたい」と、逆の視点から参加してきた高校生もいる。
また中には「昨年は落選したが、講師の1人である天野仁史氏がWebで公開した資料を見て『絶対次こそは参加する』と決意してきた」と、見事リベンジに成功した学生もいた。別の学生は「IT業界のイメージはそんなによくないかもしれないが、新しいもの、いままでになかったものを作ることができる」と述べ、キャンプでの知識吸収に意欲を見せていた。
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