暗号化や監査ログを標準で提供
NSD、企業向けに特化したファイル転送システムを発売
2009/08/27
日本システムディベロップメント(NSD)は8月26日、企業向けの大容量ファイル転送システム「eTransporter」を発表した。9月15日に販売を開始する。
eTransporterは、設計図面やデジタルコンテンツのような大容量のデータや顧客の機密情報・個人情報を取引先とやり取りする用途を想定した、企業向けのファイル転送システム。ファイルの自動暗号化機能に加え、いつ、どのユーザーがどのファイルに対してどんな操作を行ったかを記録する監査ログ機能を標準で備えることで、情報漏えいリスクを抑える。
データは、社内に構築するeTransporter専用のデータベース/Webサーバを介してやり取りする。このため、ASP形式のファイル転送サービスと異なり、第三者を介さずにデータを送受信できることもメリットという。
クライアント側に専用ソフトウェアは必要なく、Webブラウザから利用可能だ。ファイルをアップロードすると、自動的にパスワード付きZIP形式で暗号化され、受信者には、ダウンロード用URLが記されたメールが送られる。オプションでPGPによる暗号化を選択することも可能だ。またこの際、ファイルをダウンロード可能な期限や回数を設定することができる。
企業間での機密性の高い情報のやり取りにフォーカスしており、セキュリティやコンプライアンスに配慮した機能を搭載していることが特徴だ。また、グループ単位での送信先制限機能やディスククオータに当たるディスク使用量、ファイルサイズの制限機能なども備えている。今後さらに、ダウンロード時の承認やファイルアーカイブといった機能を追加する計画だ。
eTransporterサーバはWindows Server 2003もしくはLinux上で動作し、データベースにはPostgreSQLを利用する。クライアント側はInternet Explorer 6/7/8、Firefox 2/3、Chrome、OperaおよびSafariに対応する。サーバライセンス価格は200万円、サポートライセンスは年額40万円。
関連リンク
関連記事
情報をお寄せください:
- Windows起動前後にデバイスを守る工夫、ルートキットを防ぐ (2017/7/24)
Windows 10が備える多彩なセキュリティ対策機能を丸ごと理解するには、5つのスタックに分けて順に押さえていくことが早道だ。連載第1回は、Windows起動前の「デバイスの保護」とHyper-Vを用いたセキュリティ構成について紹介する。 - WannaCryがホンダやマクドにも。中学3年生が作ったランサムウェアの正体も話題に (2017/7/11)
2017年6月のセキュリティクラスタでは、「WannaCry」の残り火にやられたホンダや亜種に感染したマクドナルドに注目が集まった他、ランサムウェアを作成して配布した中学3年生、ランサムウェアに降伏してしまった韓国のホスティング企業など、5月に引き続きランサムウェアの話題が席巻していました。 - Recruit-CSIRTがマルウェアの「培養」用に内製した動的解析環境、その目的と工夫とは (2017/7/10)
代表的なマルウェア解析方法を紹介し、自社のみに影響があるマルウェアを「培養」するために構築した動的解析環境について解説する - 侵入されることを前提に考える――内部対策はログ管理から (2017/7/5)
人員リソースや予算の限られた中堅・中小企業にとって、大企業で導入されがちな、過剰に高機能で管理負荷の高いセキュリティ対策を施すのは現実的ではない。本連載では、中堅・中小企業が目指すべきセキュリティ対策の“現実解“を、特に標的型攻撃(APT:Advanced Persistent Threat)対策の観点から考える。