ポリシーに合わせた運用を支援
トレンドマイクロ、未知のマルウェアの検出サービスを強化
2009/10/21
トレンドマイクロは10月20日、企業向けの脅威対策システム「Trend Micro Threat Management Solution(TMS)」の新バージョンを発表した。ユーザー企業のポリシーに応じた柔軟な運用が可能になったことが特徴という。
TMSは、企業ネットワーク内に設置されたアプライアンスを通じて監視を行い、不正なプログラムが引き起こす疑わしい挙動を検知、分析する「Trend Micro Threat Discovery Suite」と、その情報に基づいて感染元を調査し、原因分析と復旧処理を行う「Trend Micro Threat Mitigation Suite」という2種類のソリューションから構成されている。ネットワークを監視して疑わしい挙動を検知するため、パターンファイルでは検出が困難だった未知のマルウェアにも対処できることがメリットだ。また、クライアント側にソフトウェアを導入せずとも対策が可能なため、組み込み型OSを利用している産業用端末のセキュリティ対策に有効という。
新バージョンのTMS 2.5では、解析結果を踏まえ、自社のポリシーに基づいた柔軟な運用を行えるようにした。具体的には、分析結果レポートをダウンロードできる専用ポータルサイトを提供するほか、特に危険性の高い挙動が検知された場合は、トレンドマイクロから緊急通知を発信したり、不正プログラムのクリーンナップ(駆除)実行機能を追加することで、少ない負荷で迅速に対応を取れるようにしたという。
また、Trend Micro Threat Discovery Suiteを構成するネットワーク監視アプライアンス「Trend Micro Threat Discovery Appliance」に、VMware ESX上で動作するバーチャルアプライアンス版の「Trend Micro Threat Discovery Virtual Appliance」を追加した。
価格は、Trend Micro Threat Discovery Applianceが360万円、バーチャルアプライアンス版は120万円。分析・レポートを行う「Trend Micro Threat Management Services」の参考価格は、501〜1000ユーザーの場合で385万8000円など。11月18日に提供を開始する。
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