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リモートからのインストールやポリシー配信を可能に
国産ウイルス対策ソフト「FFR yarai 2009」が管理機能を強化
2009/11/12
フォティーンフォティ技術研究所は11月11日、パターンファイルに依存しないウイルス対策ソフトウェアの新版「FFR yarai 2009」の提供を開始した。
既存のウイルス対策ソフトウェアの多くは、既知のウイルスの特徴を記したパターンファイルとの照合に基づいてウイルスを検出するが、ファイルサイズの増大によりリソースへの負担が大きくなることに加え、パターンファイルがまだ存在しない未知のウイルスへの対策が課題とされてきた。これに対しFFR yaraiは、独自開発の4種類のエンジンを用いてプログラムの動作やコードを解析し、ウイルスかどうかを判断する。このため、未知のウイルスやゼロデイ攻撃にも有効なことが特徴だ。
新バージョンでは、企業での導入および運用管理を容易にする機能が追加された。具体的には、FFR yaraiが未導入のPCに対する遠隔インストールが可能になったほか、リモートからの各種設定、ポリシー配信機能が加わっている。また、クライアントPC側でウイルスが検出され、実行を防いだ際に、電子メールで管理者に通知することも可能だ。
さらに、システムコールの呼び出し元を確認するなどしてウイルスかどうかを判別する「0-Day保護エンジン」(ZDP)を強化し、新しいタイプの脆弱性攻撃に対応した。また、プログラムの動作にウイルス特有の処理が含まれていないかをチェックする振る舞い検知エンジン「DHIPSエンジン」でもロジックの見直しが行われている。
同社はこの新バージョンによって、企業内管理者の負担を軽減するとともに、より効果的にウイルスを検出し、誤検出を減らすことができるとしている。
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