専用ソフトウェアなしで利用可能なUSB認証製品も
日本セーフネット、SaaS形式に合わせたライセンス管理を提供
2009/12/03
日本セーフネットは12月3日、SaaS事業者やSaaSシステムで稼働するアプリケーションの開発ベンダをターゲットにした個人認証システム「eToken PRO Anywhere」とライセンス管理システム「Sentinel EMS」を発表した。
同社は、主に暗号化や認証といった分野にフォーカスしたセキュリティ企業だ。これまで、USBトークンを用いた認証システム「iKey」やワンタイムパスワード、電子認証で必要な暗号鍵を格納するHSMといったエンタープライズ向けのセキュリティ製品に加え、ドングルを用いた不正コピー防止製品やライセンス管理システムなどを提供してきた。また2009年4月には、同じくUSB認証製品「eToken」シリーズを提供するイスラエルのセキュリティ企業、アラジンナレッジシステムと統合している。
eToken PRO Anywhereは、eTokenによるUSB認証機能を、ドライバも含め、専用のソフトウェアをインストールすることなくどこからでも利用できるようにする製品だ。認証に必要なサーバ証明書や接続先サイトの情報は、あらかじめUSB側に導入されているため、特に導入・設定作業を行わなくとも認証を行い、目的のサイトに安全にアクセスできる。企業が配布するPCだけでなく、インターネットカフェなどからも、手軽にセキュアにアクセスできることが特徴という。
もう1つの新製品であるSentinel EMSは、SaaS形式で販売されるアプリケーションのライセンス管理を支援する。
アプリケーションの多くは、従来はパッケージの形で届けられていたが、インターネットを介してダウンロード販売されたり、さらにはSaaS形式で利用できるようになってきた。SaaSでは、必ずしもアプリケーション単位ではなく、時間単位での柔軟な利用も可能になるだけに、ライセンス管理が煩雑になる。
Sentinel EMSは、ライセンスの申請と発行、更新、失効といった処理をオンラインで行い、どのユーザーがどのアプリケーションをどんな形態で利用できるかを管理、制御する。「いままでCDなどの物理媒体で配られていたが、アーカイブされたソフトウェアをユーザーに配っていくという形がSaaS。そうした柔軟な形態に対してライセンスを配り、管理することができる」(同社エンタープライズセキュリティ事業部長 小池康幸氏)。
日本セーフネットでは、Sentinel EMSに、オンラインでのソフトウェアライセンス発行・アクティベーション機能を提供する「Sentinel RMS」、トークンを用いてソフトウェアの不正利用を防止する「HASP SRM」といったほかの製品と組み合わせながら、ライセンスのライフサイクル管理を支援していきたいとしている。
価格は、eToken Pro Anywhereは9570円から、別途購入が必要となる管理ツール「TMS」は38万4000円。またSentinel EMSは400万円からとなっている。
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