仮想セキュリティサービスの基盤としても提供
フォーティネット、さらなる高速化図ったUTM新製品
2010/01/19
フォーティネットジャパンは1月19日、統合脅威管理(UTM)アプライアンスの新製品「FortiGate-1240B」と「FortiGate-200B」を発表した。初年度サポート付きの参考価格はそれぞれ524万3000円、87万3000円。
FortiGateシリーズは、ファイアウォールとIPSec/SSL VPN、アンチウイルス、IPSといった複数のセキュリティ対策を1台で提供するアプライアンス製品だ。独自OSの最新版「FortiOS 4.0」からは、WAN最適化やアプリケーション制御といった機能も加わっている。
特徴は、「FortiASIC CP6(コンテンツプロセッサ)」と「FortiASIC NP4(ネットワークプロセッサ)」という独自のASICによって、複雑なセキュリティ処理をこなしながら高いスループットを実現すること。新製品のFortiGate-1240Bも、ミッドレンジクラスの製品ながら、ファイアウォールは40Gbps、IPSec VPNは16Gbpsというスループットを実現する。拡張モジュールを追加すれば、ファイアウォールは44Gbps、IPSec VPNでは18.5Gbpsへと、さらなる高速化が可能だ。
「どうしてこのように製品の高速化を図るのかというと、顧客から要望があるから。インターネットのトラフィックは増えており、アタックも増えている」(同社シニアマーケティングディレクター 西澤伸樹氏)。
FortiGate-1240Bはまた、ギガビットイーサネットを40ポート搭載している。これにより、「メールサーバ用、DNSサーバ用という具合に複数のDMZを持ち、それぞれにポリシーを設定する場合に作業が容易になり、ミスが減る。また、部署単位でセキュリティポリシーを分けたい場合にも有効」(西澤氏)という。
フォーティネットでは同製品を、既存ファイアウォール/UTMの統合といった用途に加え、インターネットデータセンターにおけるバーチャルセキュリティサービスの基盤としても提供する。また、ログ分析アプライアンスの「FortiAnalyzer」と組み合わせ、エンドユーザーのアプリケーション利用状況を可視化するソリューションとしても提供していく。
もう1つの新製品、FortiGate-200Bは、中規模企業をターゲットとしたエントリモデル。16ポート(うち8ポートはギガビットイーサネット)を備えており、ファイアウォールスループットは5Gbps、IPSec VPNのスループットは2.5Gbpsとなっている。
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