ZDPエンジンのみを搭載し安価に提供
FFR、「yarai」シリーズにゼロデイ攻撃対策製品を追加
2010/05/10
フォティーンフォティ研究所(FFR)は5月10日、同社が提供するパターンファイルを必要としないウイルス対策製品「FFR yarai」シリーズの新バリエーションとして、「FFR yarai 脆弱性攻撃防御機能」を発表した。同社製品が持つ複数のエンジンからゼロデイ攻撃対策エンジン(ZDP)を切り出し、単独の製品としたもの。2月に発売した「「FFR yarai 脆弱性攻撃防御機能 for Windows 2000」と同様の機能を持つ。なお、既存製品であるFFR yaraiも併売する。
特定の企業を狙った標的型攻撃や、Gumblarをはじめとする進化した攻撃手法は認知が難しく、パターンによる検出では対策が間に合わない。そのため、多くのウイルス対策ベンダはマルウェア配布サーバのURLをレピュテーションでブラックリスト化し、マルウェアをダウンロードさせない手法で対策を進めている。FFR yaraiのゼロデイ対策エンジンは、ウイルス対策ソフトやネットワークエッジでの対策を行った上で、それらをすり抜けた未知の攻撃を防御するための製品と位置付けている。
FFRが開発したZDPは、ハードウェアによるデータ実行防止機能(DEP:Data Execute Prevention)をソフトウェアにて実現するもの。ハードウェアDEPでは検出が困難なGoogle Aurora攻撃(Return-to-Libc攻撃を利用)も検出できるよう、チューニングを行っているという(参考:セキュリティを形にする日本のエンジニアたち 第3回 この脆弱性対策エンジンは“永遠に完成しない”)。
マルウェアが感染活動で利用する脆弱性として、米MITREが管理するCVE(Common Vulnerabilities and Exposures)は「バッファオーバーフロー脆弱性」「フォーマットストリング脆弱性」「整数オーバーフロー脆弱性」「ダブルフリー脆弱性」を定義している。FFRのZDPエンジンは、これらの脆弱性を利用した攻撃の99%を実行時に検出できるとしている。
FFR yarai 脆弱性攻撃防御機能は企業向けの統合管理コンソールも無償で提供し、インストール状況やアップデート状態を把握できる。発売は6月9日。対応OSはWindows 2003/XP/Vista/7で、99ユーザーまでは1ライセンスあたり3600円/年で提供する。
なお、5月12日より東京ビッグサイトで開催する「情報セキュリティEXPO」AITブース(西4-56)にて、同製品のRC版を先着300名に提供する。
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