ネットワークで「Tivo」機能や「Google」機能を提供
トラフィックを記録し検索、ニクサンが日本法人を設立
2010/05/13

リアルタイムネットワーク監視ソリューションを提供する米ニクサン(ニュージャージー州プリンストン)は5月13日、日本法人の設立を発表した。カントリーマネージャーとして、シマンテック執行役員の経歴を持つ伊藤一彦氏が就任する。
ニクサンは高速ネットワーク対応のフォレンジック、セキュリティ監査を行うソリューションを提供するベンダで、ネットワーク性能監視・管理アプライアンス「NetVCR」、ネットワークセキュリティ/フォレンジックのアプライアンス「NetDetecter」が主な製品。同社製品は機能をモジュールとして追加ができることが特徴で、同日発表された金融業界向けの追加モジュール「NetTradeWatch」では、金融取引市場のようなマイクロ秒単位でのパフォーマンスが必要なネットワークでのレイテンシ測定、取引トランザクション監視が行える。
ニクサンは2002年より住商情報システムを通じて製品を販売しており、国内でもすでに官公庁や金融、通信業界での実績がある。日本法人の設立により、引き続き住商情報システムとともに国内での体制強化を目指す。
企業ネットワークにおける「録画」「検索」がニクサンの仕事

企業ではギガビット級の高速ネットワークが利用されているが、セキュリティ監査やパフォーマンス管理を行うためには、この中で何が起こっているかを把握する必要がある。
日本法人設立に合わせ来日した米ニクサンのシニアバイスプレジデント兼ワールドワイドセールス ラングー・サルガメ(Rangu Salgame)氏は、「トラフィックを記録し、それを検索により可視化するのがニクサンのソリューションだ。これはネットワークにおける“Tivo”(テレビ番組のレコーダー)と“Google”みたいなものだ」と説明する。“ネットワークのレコーダー”として情報を収集しておくことで、セキュリティ対策やフォレンジックを行うアプローチを取っているとサルガメ氏は述べる。
ニクサンの製品はアプライアンスとして提供しており、必要な機能がモジュールとしてプリインストールされる。1Uラックサイズの「3600シリーズ」はオープンプライスで約500万円から。

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