セキュリティとパフォーマンス、両方をあきらめない
次世代FW「Project SuperMassive」を発表 ソニックウォール
2010/06/07
ソニックウォールは6月7日、同社の次世代ファイアウォール技術である「Project SuperMassive」(プロジェクト・スーパーマッシブ)を発表した。最大1024コアまで拡張可能なプラットフォームで、40Gbpsを超えるステートフルインスペクションのパフォーマンスを得られるとしており、2010年末の発売を目指す。4台の筐体(計384コア)を組み合わせたプロトタイプをInterop Tokyo 2010(幕張メッセ)で展示する。
ソニックウォールはWeb 2.0の環境を「アプリケーション・カオス」とし、IT管理上の課題としている。ポート80番を利用するWebサービスが多数存在するが、ビジネスに無関係と判断されるものもある。この状況を整理するには、パケットの中身を判断するディープ・パケット・インスペクション(DPI)が必須であると同社は説明する。
ソニックウォール日本代表のマイク小池氏は「フォレスターの調査では、企業の50%は、帯域の30%がソーシャルネットワーキングのトラフィックで占められているという。このトラフィックの良しあしを判断するには、超高速にフルDPIを実現できる次世代ファイアウォールが必要だ」と述べる。
Project SuperMassiveアーキテクチャはSonicOS 6.0上で動作し、単体で最大10Gbps、クラスタリングで最大40GbpsのフルDPIスループットの実現を目標としている。キャビウム・ネットワークス(Cavium Networks)による「OCTEON」ベースのCPUコアを利用している。ソニックウォール ネットワークセキュリティ製品ラインマネージャ、ディミトリー・アイラペトフ氏はこのチップを「ASICとx86/AMDアーキテクチャの中間」と表現する。同氏は「ASICはステートフルの状態ならば高速だが、そうではない環境ではパフォーマンスが98%ダウンする例もある。またx86/AMDなどのチップは高性能だが、パケット処理のために設計されているわけではない。OCTEONはその中間の位置にある」と述べる。
Project SuperMassiveをベースとした製品は2010年12月までに販売を開始する予定で、現在はベータユーザーを募集している。製品価格は現時点では未定だが、「10万〜30万ドルで、他社の同等性能の製品に比べ低価格で提供する」(ディミトリー氏)と述べた。
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