リスク情報を加味して可視化
アプリケーションに注力したファイアウォール、マカフィー
2010/06/16
マカフィーは6月16日、企業向けファイアウォールアプライアンスの新製品「Firewall Enterprise version 8」を発表した。6月25日に販売を開始する。
Firewall Enterprise version 8は、ファイアウォールとしての機能に加え、VPNやSSLフィルタ、URLフィルタ、IPSといった機能を提供する、いわゆるUTMに分類できる製品だ。マカフィーはこれを、バージョンアップを機に「アプリケーションの可視化と制御」に焦点を絞ったファイアウォールと再定義している。
従来のファイアウォール製品の多くがポート単位でトラフィック制御を実行していたのに対し、Firewall Enterprise version 8はアプリケーションレイヤでトラフィックを監視する。このため「どういうユーザー/グループがどういったアプリケーションを使っているかをひも付けて管理できる」(同社マーケティング本部 コーポレートマーケティング部長 市橋満氏)。
同社によると、Firewall Enterprise version 8では1000種類以上のアプリケーションを識別でき、リスク情報を加味して表示できるという。また、単に特定のアプリケーションの利用を禁止するだけでなく、ユーザー/グループ単位で制御できるほか、同じアプリケーションの中でもファイル共有などの機能ごとにきめ細かく制御が可能だ。
アプリケーションファイアウォールという意味では、米パロアルトネットワークスなどが同種の製品を提供している。これに対しマカフィーでは、25年の実績を積んで鍛えられた運用管理面で一日の長があると説明した。
さらに、マカフィーが展開しているインターネットの監視網「Global Threat Intelligence」を活用し、Webと電子メール、ファイル、ネットワークのレピュテーション情報を反映することによって、より迅速で正確な対処が可能になる点も特徴という。
Firewall Enterprise version 8の価格は、エントリモデルの「410F」が112万円から。
関連リンク
関連記事
情報をお寄せください:
- Windows起動前後にデバイスを守る工夫、ルートキットを防ぐ (2017/7/24)
Windows 10が備える多彩なセキュリティ対策機能を丸ごと理解するには、5つのスタックに分けて順に押さえていくことが早道だ。連載第1回は、Windows起動前の「デバイスの保護」とHyper-Vを用いたセキュリティ構成について紹介する。 - WannaCryがホンダやマクドにも。中学3年生が作ったランサムウェアの正体も話題に (2017/7/11)
2017年6月のセキュリティクラスタでは、「WannaCry」の残り火にやられたホンダや亜種に感染したマクドナルドに注目が集まった他、ランサムウェアを作成して配布した中学3年生、ランサムウェアに降伏してしまった韓国のホスティング企業など、5月に引き続きランサムウェアの話題が席巻していました。 - Recruit-CSIRTがマルウェアの「培養」用に内製した動的解析環境、その目的と工夫とは (2017/7/10)
代表的なマルウェア解析方法を紹介し、自社のみに影響があるマルウェアを「培養」するために構築した動的解析環境について解説する - 侵入されることを前提に考える――内部対策はログ管理から (2017/7/5)
人員リソースや予算の限られた中堅・中小企業にとって、大企業で導入されがちな、過剰に高機能で管理負荷の高いセキュリティ対策を施すのは現実的ではない。本連載では、中堅・中小企業が目指すべきセキュリティ対策の“現実解“を、特に標的型攻撃(APT:Advanced Persistent Threat)対策の観点から考える。