チェック・ポイントが体験会を開催、8月には日本語化も
オフラインでも環境を問わず利用できる「Check Point Abra」
2010/06/28
チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは6月25日、仮想デスクトップ環境を備えたセキュアUSBメモリ製品「Check Point Abra」の体験会を開催した。
Check Point Abraは、同社がサンディスクと共同で開発した、企業エンドユーザー向けのセキュリティ製品だ。USBメモリには暗号化機能に加え、仮想デスクトップ機能やSSL VPNを介したリモート接続機能が内蔵されている。これを手元のWindows PCに差し込むことで、社内にいるときと同じような環境を再現し、リモートから安全に作業を行えるという。
Abraの仮想デスクトップ環境はいわゆるハイパーバイザ方式ではない。Abraがアプリケーションの1つとして動作し、OS側の処理をフックすることで隔離された作業環境を実現している。ドライバやアプリケーションについては、ローカルPCに元々インストールされていたものを利用する仕組みだ。
このため、オンライン/オフラインを問わず利用できること、ドライバやアプリケーションの互換性を意識せずプラグアンドプレイで利用できることなどがメリットだと、同社システム・エンジニアリング本部 SEマネージャ 小高克明氏は説明した。
Abraでは、起動した仮想デスクトップ上で実行可能な操作を、管理ツールの「SmartCenter」を介して集中的に管理可能だ。体験会では、ローカルPCからファイルをコピーする「Import」機能やUSBメモリ内に保存したデータをPCに書き出す「Export」機能を、管理者側で制御した。ほかに、印刷やコピー、利用可能なアプリケーションなどがコントロール可能だ。ただしポリシーの更新は接続のたびになされる仕組みで、リアルタイムに反映されるわけではない。また今回の体験会は英語インターフェイスによるもので、日本語化は「8月ごろの見込み」(小高氏)という。
チェック・ポイントは、エンドポイント保護製品として「Check Point Endpoint Security」も提供している。リモートユーザーや契約社員などを対象に、生産性を維持しながら制限された環境を提供する、比較的カジュアルなセキュリティを提供するのがCheck Point Abraで、マルウェア対策も含めたより堅牢なセキュリティを提供するのがCheck Point Endpoint Securityという位置付けになると小高氏は説明している。
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