中堅企業向けスイート製品を追加
シマンテック、コストを抑えてバックアップ/リカバリの導入促進
2010/06/29
シマンテックは6月29日、中堅規模企業を対象としたセキュリティスイート製品「Symantec Protection Suite Advanced Business Edition」を発表した。エンドポイントセキュリティとメッセージングセキュリティ、バックアップ/リカバリをひとまとめに提供する製品で、7月5日に販売を開始する。
Symantec Protection Suite Advanced Business Editionは、同社のエンドポイント向けセキュリティ製品「Symantec Endpoint Protection」に、ゲートウェイ向けメッセージングセキュリティ製品の仮想版「Symantec Brightmail Gateway Virtual Edition」、バックアップ/リカバリソフトの「Symantec Backup Exec System Recovery Server Edition」「同Desktop Edition」をひとまとめにしたスイート製品だ。
さらに、一連の製品に対してシングルサインオンで管理を行える、Webベースのポータル型管理コンソール「Symantec Protection Center」も標準で付属する。これにより、IT管理者の数が十分とはいえない中堅企業における運用管理の負担を下げ、運用コストを削減するという。
シマンテックのプロダクトマーケティング、広瀬治氏は、エンドポイントセキュリティの導入率が比較的高いのに対し、バックアップ/リカバリは、ニーズが高いにもかかわらず導入されてこなかったと説明した。その大きな理由はコストだという。そこで、コストパフォーマンスに優れた形で導入できるスイートを投入することで、「バックアップ/リカバリソフトの普及を促進し、OSの再インストールなどの作業が発生するリスクに備える体制を整えたい」(広瀬氏)。
シマンテックはこれまでも、企業向けスイート製品として、従業員規模500名以上の大企業向けの「Symantec Protection Suite Enterprise Edition」と、従業員100名以下の中小企業向けの「SymantecProtection Suite Small Business Edition」を提供してきた。新製品のSymantec Protection Suite Advanced Business Editionは、この両者の間に位置付けられる。価格は、300ユーザーの場合で1ユーザー当たり9200円で、各製品を個別に購入する場合に比べ、約3分の1のライセンス費用で導入できる。なおBackup Exec System Recovery Server Editionは、50ライセンスごと1本無償で付属する形態で提供される。
シマンテックは同時に、Symantec Protection Suite Small Business Editionの価格を引き下げる。Symantec Protection Suite Small Business Editionにはメッセージングセキュリティ製品は付属せず、エンドポイント保護とバックアップ/リカバリ機能を提供する。30ライセンス時の価格は、従来に比べ約半額の1ユーザー当たり6600円となる。
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