クラウド向けビジネスの強化も
シマンテック新社長、パートナー施策などの戦略を説明
2010/07/09
シマンテックは7月8日、2010年度の戦略説明会を開催した。5月18日付で代表取締役社長に就任した河村浩明氏は、パートナー施策の強化をはじめとする4つの柱を通して国内での販売拡大に努める方針を示した。
米シマンテックは過去十数年にわたって40社以上の買収を行っており、セキュリティに加え、データ保護やストレージ管理という3つの分野にまたがる製品ポートフォリオを持っている。河村氏は、「今後は、これら3つの分野の相乗効果を出して、さらなる価値を提供していきたい」と述べた。
また同時に、ハードウェアからOS、ミドルウェア、アプリケーションに至るまですべてを1社で提供する垂直統合型ビジネスではなく、あくまで水平展開戦略を採っていくとも明言した。「なぜ水平戦略かといえば、顧客は選択肢を求めているから。そこでは、パートナーとのエコシステムを構築できるかどうかが生き残りのポイントになってくる」(河村氏)。
これを踏まえて2010年度は、パートナープログラムの強化などを通じて、パートナーにおけるシェアの向上を狙う。具体的には、取引規模の代わりに、「Data Loss Prevention」や「Archive and eDiscovery」といった分野ごとの専門性を認定する「スペシャリゼーション」制度を追加したほか、「Symantec Sales Expert」や「Symantec Technology Specialist」といった認定制度をさらに推進し、資格取得者数を3000人までに増やす計画だ。
同時に、富士通のハードウェアと組み合わせた「Symantec FileStore」のような、OEMパートナー向けのエンベデッド(組み込み型)ソリューションの提供や年商1000億円以上の「Big Enterprise」向けハイタッチビジネスの強化、さらにクラウドサービスプロバイダー(CSP)向けのビジネス展開といった分野に重点を置く計画だ。
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