1日1回のマルウェアスキャンも
ベリサイン、「サイトの信頼性」を確認する新サービスを開始
2010/07/27
日本ベリサインは7月27日、Webサイトが確かに実在する企業/団体によって運営されており、かつマルウェアなどに感染していないことを証明する「VeriSign Trust Seal」の提供を開始した。そのWebサイトが信頼できるかどうかを見分ける手段を提供するサービスだが、暗号化通信を可能にするSSLサーバ証明書は提供されない。
VeriSign Trust Sealでは、SSLサーバ証明書の発行時と同じ手続きに基づいて、その企業が本当に存在し、活動しているかどうかの確認を行う。同時に1日1回の間隔でWebサイトに対するマルウェアスキャンを実施し、Gumblarなどへの感染の恐れがないかをチェックする。サービスを導入したWebサイトには、「VeriSign Trusted」というシールが表示されるが、もしマルウェアが発見された場合は自動的に非表示となり、ベリサインより対策が促されるという。
さらに、エンドユーザーがAVG Technologiesの「AVG Link Scanner」を導入している場合は、GoogleやBingの検索結果ページに、Trust Sealを導入していることを示すアイコンが表示される仕組みだ。ただし日本ベリサインにとると、国内におけるAVG Link Scannerの導入率は低いため、プラグインなど確認のための別の手段を模索していきたいという。
日本ベリサインがすでに提供している「ベリサイン SSLサーバ証明書」や「ベリサイン EV SSL証明書」とは異なり、VeriSign Trust Sealを導入しただけでは、SSLによる暗号化通信は行えない。このため、「個人情報を入力するサイトにはふさわしくないが、情報提供サイトなど、内容が本物であることを確認する必要のあるサイトに提供する」(同社代表取締役社長兼CEO 古市克典氏)という。また、共有ホスティングサービスなどを利用しており、システムの制約上SSLの導入が困難な環境向けに、「信頼アップのツール」として提供していきたいという。
VeriSign Trust Sealの価格は、年額4万1580円。また10月下旬以降、「ベリサインセキュアドシール」を取得している顧客向けにVeriSign Trust Sealをバンドルする計画という。
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