米メッセージシステムズが日本市場進出に意欲
高速性と柔軟性を両立するメールシステム「Momentum」
2010/10/08
米メッセージシステムズ(Message Systems)のビジネス開発担当バイスプレジデント、デイビッド・ハーベイ氏が、10月6日、7日に行われたEmail Security Expo & Conference 2010に合わせて来日し、日本市場への取り組みを明らかにした。日本国内での販売に向けてパートナーとの交渉を進めている段階という。
メッセージシステムズでは、ISP/キャリアと大企業、2種類の顧客をターゲットにメッセージング製品を提供している。主力製品は、電子メールの配信、コントロールを行うソフトウェア製品「Momentum」だ。単にMTAとしてメールを送受信するだけでなく、ポリシーマネジャーによってきめ細かくコントロールを行えることが特徴という。
例えば受信メールについては、ホワイトリストやブラックリストに基づくフィルタリングに始まり、トラフィックシェーピングや受信者情報の検証などを組み合わせ、不正なメッセージを排除する。送信メールについても、不正なURLなどが含まれていないか、配信速度制限に抵触しないかなどをコントロールし、自社のレピュテーションに対するリスクを抑えるという。
「Sendmailに代表されるオープンソースのメールシステムが第1世代、商用のアプライアンス製品が第2世代だとすれば、われわれの製品は第3世代。高速なパフォーマンスと、オープンソースと同等の柔軟性を兼ね備えている」(ハーベイ氏)。商用製品ならではの高速性、安定性と、ニーズに合わせてカスタマイズできる柔軟性を兼ね備えていることが強みだとした。
具体的には、Luaスクリプトの記述によって自社独自のルールを実装し、ワークフローを組み立てたり、SDKによってほかのアプリケーション/モジュールと連携させることが可能という。「『こういう状況が起こったら、こういったアクションを起こす』といった具合に記述することで、望むあらゆる処理を行える」(ハーベイ氏)。また2009年12月には米シマンテックとパートナーシップを結び、シマンテックのメールセキュリティ製品「Brightmail」と連携したソリューションも展開している。
ハーベイ氏はさらに、コミュニケーション手段の多様化を踏まえ、「いまはSMTPによる電子メールおよび携帯電話のショートメッセージのみだが、来年にはインスタントメッセンジャーをサポートする予定」とした。また、クラウドサービスを提供する事業者向けへの製品展開に加え、インターフェイスの提供を通じて、「自社の環境とクラウド内のシステムとを連携してコントロールできるようにする」という。
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