きめ細かいポリシーでWebアプリや情報漏えいをコントロール
日本セーフネット、統合セキュリティアプライアンスを発表
2010/10/12
日本セーフネットは10月12日、Webおよび電子メールゲートウェイ向けのセキュリティアプライアンス「eSafe SmartSuite II v.8.5」を発表した。コンテンツフィルタリングやURLフィルタリングに加え、アンチスパムや機密情報の流出防止など、広範なセキュリティ機能を提供する製品だ。
eSafe SmartSuite IIはHTTPトラフィックを検査して、コンテンツレベルでマルウェアを検出するとともに、Webアプリケーションの利用を制御し、セキュリティ対策を支援する。さらに、DLPやURLフィルタリング、SSLトラフィックの検査といった機能を追加することも可能だ。また電子メールについても同様にデータをチェックし、アンチウイルス/アンチスパムや外部へのデータ漏えい防止機能を提供する。
特徴の1つは、いわゆるWeb 2.0系のアプリケーションをきめ細かく制御できることだ。「Facebookの利用は許可するが、チャットは禁止する」「Gmailへのアクセスは許可するが、メール送信は禁止する」という具合に、サービス単位で、あるいはユーザー単位で細かくポリシーを定めることが可能だ。新バージョンではまた、RTSPやFlashといったストリーミングプロトコルに対するコントロール機能を搭載した。
電子メールセキュリティ関連では、隔離したスパムメールに対する処理を、ユーザー自身がWebインターフェイスを通じて行える「自己管理」機能が加わった。またデータ漏えい防止(DLP)機能では、機密情報を定義する「辞書」を強化し、150種類以上のファイル形式をサポート。機密データをより確実に検出し、流出をブロックできるようにしたという。
一連の情報は管理ツールの「eSafe Reporter」によって把握できる。ダッシュボードでは、ネットワーク上でいま何が起こっているかをドリルダウン形式で把握可能だ。現在、一部が日本語に対応しており、次のバージョンでフルサポートする予定。
セーフネットのシニア・プロダクトマネージャ、アズリ・スモラチック氏は「中堅、中小規模向けの製品の使いやすさ、導入の容易さと、大企業向け製品の豊富な機能を両立する製品だ」と説明した。2011年第1四半期にリリース予定のバージョン8.6では日本語に完全対応するほか、独自辞書によるDLP機能の強化、IPレピュテーション機能のサポートなどを予定している。さらに2011年中には、暗号化など、同社のほかのセキュリティ製品との統合を実現するバージョン9.0を投入する計画とした。
eSafe SmartSuite II v.8.5には、3000ユーザーまで対応する中規模向けの「XG210」と、8000ユーザーまでサポートする大規模向けの「XG300」の2モデルがある。参考価格は、XG210にeSafe Web/Mail SG PlusおよびeSafe Reporterを追加した場合、100ユーザーで83万円。VMware ESXi上で動作する仮想イメージ版も提供する。
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