対応ソフトウェア、さらに拡大
累計出荷は5500万台へ、インテルがvProの浸透アピール
2010/10/27
インテルは10月25日、企業向けのPC管理/セキュリティ技術「Intel vPro」に関する説明会を開催した。
インテル vProは、ハードウェアをベースに、PCのセキュリティおよび運用管理性を高め、TCO削減を支援するテクノロジだ。同社取締役副社長の宗像義恵氏は、2006年9月に最初のvProを発表してから1500日が経ち、累計出荷台数は5500万台を超えたことに言及。vProに対応したソフトウェアを提供するパートナーによるエコシステムも拡大していると説明し、「ビジネスクライアントではスタンダードになった」と述べた。
インテル vProは、リモートブートや修復を可能にする「インテル AMT(Active Management Technology)」、信頼できるプログラムのみ実行を許可し、端末を不正なプログラムから保護する「インテル TXT(Trusted Execution Technology)」、仮想化環境の実行を支援する「インテル VT(Virtualization Technology)」、PCの盗難対策を実現する「インテル AT(Anti-Theft Technology)」という4つの技術から構成されている。同社では今後もvProを進化させていく方針といい、「(次世代CPUの)Sandy Bridge世代では、管理性やセキュリティをさらに強化したい」(インテル マーケティング本部 徳永貴士氏)という。
このうちインテル AMTでは、従来から提供してきたハードウェア/ソフトウェア資産の検出やリモートブートといった機能に加え、リモートKVMによる管理機能が加わっている。これを踏まえて、クオリティ、SKY、ハンモック、富士通四国システムの4社がそれぞれ自社の運用管理製品にvProのリモートKVM対応機能を追加し、提供する計画だ。
また、「PCを持ち運ぶ場合の事後対策」(徳永氏)に当たるインテル ATについては、NECキャピタルソリューションが、同技術を活用したセキュリティサービス「SecureDoc Managed Service」を発表した。万一PCが紛失、盗難に遭った場合は、インテル ATを用いてリモートから強制的に利用を停止させ、情報漏えいや悪用を防ぐというサービスだ。紛失したPCが手元に戻ってきた場合にロックを解除してデータを修復するサービスも提供する。
さらにシトリックス・システムズ・ジャパンは、インテル VTに最適化した仮想デスクトップソフト「Citrix XenDesktop 4 Feature Pack 2」を紹介した。この仮想デスクトップ環境のベースとなる「Citrix XenClient」は、インテルの協力を得て開発した、ハードウェア上で直接動作するベアメタル型ハイパーバイザだ。準仮想化方式に比べ、高いパフォーマンスとセキュリティを実現するほか、vProとシームレスに連携することにより、動画などもスムーズに再生できるという。
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