「モビリティは重要な要素」
iPhoneやiPadから手軽にSSL VPN接続、チェック・ポイント
2010/11/26
チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは11月25日、iPhoneやiPadといったモバイルデバイスにSSL VPN通信機能を提供する「Mobile Access Software Blade」を発表した。同社のSoftware Bladeの1つとして提供する。
チェック・ポイントでは、ベースとなるアプライアンス「UTM-1」「Power-1」などの上に、必要に応じてセキュリティ機能を追加して利用できるSoftware Bladeアーキテクチャを提供してきた。ファイアウォールやVPN、IPSといった基本的なセキュリティ機能に加え、DLP(情報漏えい防止)やWeb 2.0系アプリケーションの制御を行うSoftware Bladeが提供されている。
Mobile Access Software Bladeも、このSoftware Bladeとして提供される。企業システムに導入するチェック・ポイントのゲートウェイと、モバイル端末上で動作する「Check Point Mobileアプリケーション」との間でSSL VPN接続を張り、企業アプリケーションに対するアクセス制御を行う仕組みだ。Check Point Mobileアプリケーションはポータル機能も備えており、複雑な設定を行うことなく、簡単かつ安全に社内アプリケーションにアクセスできることが特徴という。
Mobile Access Software Bladeの価格は20万円(別途UTM-1などを導入する必要はある)。Check Point Mobileアプリケーションは当初iPhoneおよびiPadのみの対応となり、App Storeで無償でダウンロードできる。同社では追って、AndroidやSymbianもサポートしていく予定だ。
イスラエルのチェック・ポイント本社の創業者で会長兼CEOを務めるギル・シュエッド氏は、新たなアプリケーションの普及、仮想化とシステム統合と並んで、モバイルの波はIT業界における大きなトレンドだと述べた。「モビリティは日々の仕事や生活の中で、大きな部分を占めるようになっている」(シュエッド氏)。こうした環境に対し、ワンクリックで使えるシンプルでより強固なセキュリティを提供するとした。
シュエッド氏はまた、上記のトレンドによってIT環境は複雑化の一途をたどっていることに触れた。「典型的な企業では、15もの異なるセキュリティテクノロジを、それぞれ異なるベンダから導入する事態に陥っている」(同氏)。これに対しチェック・ポイントでは、異なるテクノロジをSoftware Bladeという1つのアーキテクチャに統合し、単一のポリシーの基で運用していけるようにすると説明した。
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