海賊版への混入を確認、「アプリ入手は信頼できるところから」
IPA、Androidを狙うボットに注意喚起
2011/01/21
情報処理推進機構(IPA)は1月21日、Andoroid OSを標的としたウイルスに対する注意を呼び掛けた。2010年末ごろから、Android OSを搭載した端末の乗っ取りが可能なウイルス(ボット)が確認されているという。
IPAが注意を呼び掛けているボット「Geimini(ゲイミニ)」に感染すると、攻撃者の命令に従うようになり、意図しない電話発信やメールの送受信、個人情報の漏えいといった被害を受ける恐れがある。複数のセキュリティ機関の調査によると、Geiminiの感染は主に中国で広まっており、今のところ国内での被害は確認されていない。だが、流通経路によっては国内でも同様に被害を受ける可能性がある。
IPAによると、Geimini感染経路の1つは、グーグルが運営している「Android Market」以外の、第三者によるアプリ配布サイト。こうしたサイトで配布されているアプリの中に、Geiminiが混入しているものが確認されたという。また、Android Marketで配布されている正規アプリの「海賊版」(やはり第三者が運営するアプリ配布サイトで不正に公開されている)に、Geinimiが混入している場合もある。
IPAでは写真集のアプリや日本のアプリの海賊版へのGeinimi混入を確認。「さまざまなアプリにウイルスが混入され、ばら撒かれていると推測されるため、『このアプリが危ない』と特定するのは難しい状況」と説明している。
ただし、見分ける方法がまったくないわけではない。もし、アプリをインストールする際に「あなたの個人情報」や「料金が発生するサービス」へのアクセス許可を求める警告が表示される場合、Geinimi、もしくはその他のウイルスが混入している可能性が高い。もしこのように不自然なアクセス許可を求める警告が表示された場合は、インストールを中止すべきという。
ほかにIPAでは、「Android Marketなど信頼できる場所から、正規版のアプリを入手する。同時に、アプリの評判を参考にする」「『提供元不明のアプリ』設定のチェックを外す」「『アクセス許可』の一覧に必ず目を通し、不審な点があればインストールを中止する」「Android向けセキュリティ対策ソフトを導入する」といった対策を推奨している。
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