マルチコア、マルチスレッド採用で高速化
10Gbpsネットワークでもフォレンジックを実現、ニクサン
2011/06/08
ニクサンは6月6日に、ネットワークセキュリティフォレンジック用アプライアンスの新モデル「NetDetector Alpine」を発表した。
ニクサンはこれまで「NetVCR/NetDetector」の名称で、トラフィックを収集し、ネットワーク上で起こっていることを監視、記録するフォレンジックアプライアンス製品を提供してきた。「ネットワークでいったい何が起こったのか」を再現できる、いわば、監視カメラや飛行機のフライトレコーダーのような役割を果たす製品だ。
米ニクサンの創設者にして会長兼CEOを務めるパラグ・プルティ氏は、ソニーの個人情報流出事件や、EMCのセキュリティ部門であるRSAにおける認証トークン「SecurID」関連の情報漏えいといった最近のインシデントを挙げ、「ハッカーは明確な目的を持って攻撃してくる。きちんと被害を見極めるためにも、フォレンジック情報を取得する必要がある」と述べた。
しかし問題は、「いまのネットワークにはあまりにも多くのデバイスが存在しており、深い分析が困難だ。また、システムの大規模化に対応するのも難しい」(プルティ氏)という点だ。
そこで新製品のNetDetector Alpineは、マルチコア/マルチスレッドアーキテクチャを採用し、監視/分析のパフォーマンスを向上させた。具体的には、10ギガビットイーサネット(GbE)の双方向通信にフルワイヤスピードで対応可能で、将来的には40/100GbEへの対応も視野に入れているという。また、取得したパケットデータを保存するストレージ容量も増強し、2TBから最大180TBまで拡張可能とした。さらに、OS「NIKOS」でSOAに対応することにより、データマイニング速度も大幅に高速化したという。「ネットワークで何が起こっているかをリアルタイムに把握し、リプレイすることができる」(プルティ氏)。
NetDetector Alpineには、ディスク容量や搭載インターフェイスによって4モデルのラインアップがある。価格はオープンプライスだが、参考価格は500万円から。住商情報システムを通じて販売する。
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