中堅中小企業に向けすそ野を広げる
アプライアンスに加えクラウド型WAFも提供へ、Imperva
2011/07/06
セキュリティベンダのImperva Japanは7月6日、記者説明会を開催した。米ImpervaのCEO、シュロモ・クレイマー氏は、米国で提供しているクラウドベースのサービスを日本でも展開し、これまで主にターゲットとしてきた大企業だけでなく、中小規模の企業にもソリューションを提供していきたいと述べた。
Impervaは、「SecureSphere」というハードウェアプラットフォームを共通のベースにして、「Webアプリケーション」「データベース」「ファイル」という3つの分野を保護する製品を展開している。
Webアプリケーションの保護に関しては、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングといった、Webアプリケーションの脆弱性を狙う攻撃を検出、防御するWAFを提供。機密データを格納しているデータベースの保護では、データベースの脆弱性診断や監査・モニタリング機能を提供するアプライアンスを用意している。ファイルサーバの保護では、アクセス監査/モニタリングや機密ファイルに対するアクセス権限管理を行い、情報漏えいにつながる恐れのある異常なアクセスをブロックする。
「『ImpervaというとWAF』というイメージがあるが、そうではない。われわれが目指しているのはデータセキュリティ企業だ」(Imperva Japan ジェネラルマネージャ 長坂美宏氏)。
これまではSecureSphereというハードウェアアプライアンスを主体に、比較的大規模な企業を対象に製品を提供してきたが、今後は、パートナーやホスティング事業者と組んでのマネージドサービス、あるいは同社のクラウド基盤を活用したSaaS型の「Incapsula」といったサービスにも力を入れていく計画だ。
Incapsulaは、米国ではすでに提供済みのサービスで、SaaS形式でWAF機能やファイル保護機能を提供する。アプライアンスに比べるとカスタマイズなどの柔軟性は劣るが、DNS設定を変更するだけで簡単に導入できることが特徴だ。
「大企業だけでなく、中小企業も保護を必要としている。なぜなら、あらゆる企業が保護すべきデータを保有しており、攻撃のターゲットになり得るからだ」(クレイマー氏)。こうしたサービスを通じて、中堅企業やSMBにもすそ野を広げたいとした。
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