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電話番号などの情報を抜き取られる恐れも
スマートフォンを狙うワンクリック詐欺アプリに注意喚起
2012/01/13
長年、PCの世界でユーザーに被害を及ぼしてきた「ワンクリック詐欺」が、スマートフォンの世界にも進出してきた。トレンドマイクロは1月11日のブログで、その一例を紹介している。
ワンクリック詐欺は、Webページに含まれる画像やリンクをクリックしただけで、「入会料」「コンテンツ使用料」などの名目で料金を請求する詐欺の一種だ。無視すれば被害に遭わずに済むが、あたかも個人を特定したかのように見せかけたり、マルウェアを併用して支払要求画面を繰り返し表示したりして、入金を迫ってくる。
PCでは数年前から横行していたこの手口が、スマートフォンにも悪用され始めた。トレンドマイクロのブログによると、Android端末向をターゲットに、ワンクリック詐欺のアプリが確認されたという。
このアプリはゲーム動画紹介サイトで、動画を再生する「専用アプリ」と偽って配布されている。もしこのアプリをインストールしてしまうと、起動時に請求を要求する画面が表示されてしまう仕掛けだ。ブラウザの画面を閉じても、5分置きにブラウザを起動させ、請求画面を繰り返し表示させるようになっているという。
ワンクリック詐欺アプリをインストールする際には、「ストレージ」「ネットワーク通信」および「電話/通話」に関するパーミッションを求めてくる。通話に関する情報を取得し、画面に電話番号を表示させて「個人情報が抜き取られてしまった」と誤解を与え、ユーザーを委縮させる効果があるだけでなく、実際に業者の手に渡っている可能性もあるとし、同社では注意を呼び掛けている。

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