NTTデータ先端技術が実証レポート、「制御」に成功
Windows Media Playerの脆弱性を悪用する攻撃に注意喚起
2012/01/31
情報処理推進機構(IPA)は1月27日、Windows Media Playerに存在する脆弱性(MS12-004)に関する注意喚起を公開した。細工を施したMIDIファイルを埋め込んだWebサイトにアクセスするだけで、PCの権限を奪われる恐れがある。実際にこの脆弱性を悪用した攻撃も報告されているという。
この脆弱性は、Windows XPやVista、Windows Server 2003/2008が搭載するWindows Media Playerに存在する。Windowsマルチメディアライブラリ(winmm.dll)がMIDIファイルを処理する際の扱いに問題があり、細工したMIDIファイルを開くと、ローカルユーザと同じ権限を奪取できる危険性があるという。
NTTデータ先端技術では、Windows XP SP3 Internet Explorer 7の環境で脆弱性の検証を行った。攻撃用Webページを閲覧させ、細工したMIDIファイルを開かせることでリモートから任意のコードを実行し、被害者であるWindows XPマシンの制御を誘導。誘導先のホスト(CentOS)上に被害者のWindows XPのプロンプトを表示させ、乗っ取りが可能なことを実証した。実証例ではWebページを介して乗っ取りを行ったが、電子メールに添付されたMIDIファイルを実行することでも、同様の被害を受ける恐れがある。
これに先立つ1月26日には、トレンドマイクロやシマンテックなどが自社ブログで、この脆弱性を悪用する攻撃サイトについて報告していた。Webページには、細工を施したMIDIファイルを送り込むJavaScriptが仕込まれており、アクセスするだけでマルウェアに感染する恐れがある。一方で、Windows Media Playerの再生画面を表示させ、感染に気付かせにくくする仕掛けも講じられていた。
マイクロソフトは2012年1月の月例アップデートでこの脆弱性を修正しており、パッチを適用している場合、この攻撃の影響は受けない。IPAなどでは早期のパッチ適用を推奨している。またパッチ適用が困難な場合は、レジストリを変更してMIDIの解析処理を無効にするという回避策も示されている。
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