Android端末の操作ログを収集する新製品も
エムオーテックスが管理ツールの新版、社員単位での管理へ
2012/02/03
エムオーテックスは2月3日、クライアントPC管理ツールの新バージョン「LanScope Cat7」を発表した。同時に、Android OS搭載端末についても、いつ、どこで、どういった操作を行ったかというログ情報を収集する新製品「LanScope An」も発表した。
LanScope Catシリーズは、企業向けのクライアントPC管理製品だ。専用エージェントを通じてハードウェア/ソフトウェア資産情報や稼働状況、操作ログなどを収集する。USBメモリの利用やインターネット上の掲示板への書き込みなど、情報漏えいにつながる恐れのある操作を記録、制御する機能も備えている。
LanScope Cat7では、従来からサポートしてきたPC単位での管理に加え、ユーザーID単位で情報を収集、管理できるようになった。これにより、異なるPCを使い分けていても、社員単位でログを追跡し、どういった操作を行ったか把握できるという。また、アプリケーションの起動状況やファイルの作成状況を収集することで、セキュリティの観点だけでなく、生産性の観点からも管理が可能になると同社は説明した。
なお、管理コンソールのユーザーインターフェイスには「Metro」を採用。HTML5とSilverlightの活用により、PCの利用状況やファイル作成状況を分かりやすくレポートするという。価格は未定で、4月23日に販売を開始する予定だ。
一方、新製品のLanScope Anは、いわゆるモバイルデバイス管理(MDM)製品の一種だ。Windows Azureを利用したSaaS形式で提供される。
Android端末にクライアントモジュールをインストールすることにより、端末の基本情報と操作ログを収集し、レポートできるようになる。通話記録や起動したアプリケーションといった行動履歴と位置情報を組み合わせて収集することで、社員一人一人の行動を管理し、生産性向上といった観点からマネジメントが可能になるとしている。
LanScope Anは、リモートワイプやアンチマルウェアといった機能は備えていない。ログ収集に特化することで、ほかのMDM製品を補完するツールという位置付けだ。価格は、1ユーザー当たり500円以下を目指しているという。
エムオーテックス代表取締役社長の高橋慎介氏は、LanScope Cat7とLanScope Anを組み合わせることにより、「社内、社外を問わず、どこにいても社員の行動を管理して生産性向上につなげることができる」と述べている。
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