「PCの代替に近い」タブレットでDLPを実現
シマンテック、iPad向けの情報漏えい防止製品
2012/03/07
シマンテックは3月6日、タブレットPC向けの情報漏えい防止製品「Symantec DataLoss Prevention for Tablet」の国内販売を開始した。Webへの書き込みやメールの形で外部に送信されるデータをプロキシでチェックし、機密情報に該当するものが含まれていればブロックする仕組みだ。
同社はすでに、モバイルデバイス向けのセキュリティ製品として、MDM機能を提供する「Symantec Mobile Management」や、電子証明書を用いて認証を強化する「VeriSign Managed PKI for Device」を提供してきた。これにSymantec DataLoss Prevention for Tabletを加えることで、端末そのものとアクセス、データという3つの側面からセキュリティを強化する。
Symantec DataLoss Prevention for Tablet Serverでは、顧客情報などデータベースに収められた構造化データのほか、設計文書やソースコードのような非構造化データについて、機密情報の検出が可能だ。また、キーワードやファイル属性に基づいてデータを検出することもできる。検出ポリシー作成の手間を省くため、「PCI DSS」や「個人情報保護法関係」といった目的ごとに検出ポリシーをまとめた「標準ソリューションパック」も提供する。
また、同製品をSymantec Mobile Managementと併用することで、機密情報の監視を徹底できることも特徴だ。Symantec Mobile Managementによって、iPadからダイレクトなインターネット接続をブロックし、VPNで社内プロキシに接続するよう設定できる。集中的に検査することで、DLPの効果を高めるという。
シマンテックが同日発表した調査結果によれば、回答した企業の約7割が、モバイルコンピューティングの活用による業務効率の向上や機敏性の向上といった効果を期待している。一方で、モバイルコンピューティングを主要なITリスクと見なす企業も4割に上った。「新しいインフラ、新しいツールが新たなリスクになっている」(シマンテック エンタープライズセキュリティプロダクト マーケティングマネージャー 金野隆氏)。
特に、「スマートフォンではメールの利用が中心だが、タブレット端末はPCの代替に近く、業務アプリケーションが利用される機会が多い」(金野氏)。
Symantec DataLoss Prevention for Tabletの当初の対象機器はiPadのみで、順次、Android搭載タブレットやスマートフォンに対応していく予定だ。参考価格は、1000ライセンスの場合で、1デバイス当たり1万1200円。
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