大半の発見者が中のデータにアクセス
スマートフォンの落とし物を見付けたら? シマンテックが実験
2012/03/14
ショッピングセンターで落とし物らしきスマートフォンを見付けたら、人はどう行動するのか――シマンテックが、ダミーの情報を入れたスマートフォンを使って実験を行った結果、持ち主に返そうとした人は約半数だったという。
「Symantec Smartphone Honey Stick Project」というこの実験は、北米の5都市で行われた。あらかじめダミーの企業データや個人データを入れ、かつリモートからの監視ツールを追加したスマートフォン50台を、エレベーターやショッピングセンター、フードコート、バス停など、公共の場所に置き忘れたかのようにして放置し、成り行きを見守った。
この結果、スマートフォンを見付けた人のうち50%が、持ち主に返そうと試みたという。
一方で、見付けた人の96%が、スマートフォンの中にあるデータにアクセスしたことも明らかになった。「持ち主を割り出すためにデータにアクセスした可能性もある」が、発見者の大半は、持ち主の名前以外のさまざまな情報に興味を示したことが分かったという。
例えば、発見者の6割はソーシャルメディア情報や個人的な電子メールにアクセスを試みた。72%はプライベートな写真のアプリに、43%はオンラインバンキングのアプリにアクセスしようとした。また、「保存されたパスワード」ファイルにアクセスしようと試みた割合は57%に上っている。
業務関連のアプリやデータへアクセスを試みた発見者の割合はさらに高く、83%に上った。業務用メールクライアントへアクセスしようとした発見者は45%、給与関連情報(HR Salaries)には53%、人事関連情報(HR Cases)には40%、「リモート管理」アプリには49%がアクセスを試みたという。
シマンテックはこの調査結果を踏まえ、スマートフォンを落として誰かに見付けられると、たとえ悪意ではなく好奇心によるものとしても、中に保存されている情報やアプリにアクセスされる恐れがあると指摘している。
そして、発見者が何気なくデータを見るのを防止するための「パスワードによる保護」、悪意ある窃盗犯によるデータ閲覧を防ぐ「リモートワイプ」という2つの対策を推奨している。
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