インターフェイスの改良や証明書自動更新機能の追加も
ベリサイン、マネージドPKIサービスをシマンテックブランドに
2012/05/09
日本ベリサインは5月9日、認証局の構築や電子証明書の発行業務を行うマネージドPKIサービス「Symantec Managed PKI Service 8」を発表した。2012年8月に提供を開始する。
Symantec Managed PKI Service 8は、VPN接続の際の認証や暗号化、データに改ざんが加えられていないことを示す電子署名などに利用する電子証明書の発行、管理業務を、ベリサイン側が行うサービスだ。これまで「ベリサイン マネージド PKI」という名称で提供してきたが、新バージョンでは「Symantec」ブランドに変更。同時に、管理者向けコンソール「PKI Manager」のインターフェイスを、シマンテックのエンタープライズ向け製品と統一したものにあらためた。
機能面では、1つのアカウントで複数のプロファイルを持てるようにした。これにより、1つの認証局で、テスト環境用、本番環境用、VPN認証など、複数の用途に対応できる。
一方、エンドユーザーが電子証明書を取得するためのユーザーインターフェイス「PKI Client」も変更した。これまではWebブラウザベースだったが、「便利である半面、個々のブラウザごとにインターフェイスや機能が異なり、使いにくいところもあった。そこで新バージョンではアドオンソフト形式とし、ブラウザをまたいで利用できるようにした」(日本ベリサイン IAS製品本部 IASプロダクトマーケティング部 部長 南芳明氏)。
同時に、あらかじめ管理者が定めたポリシーに従って電子証明書に関連する設定、構成を自動的に行えるようにした。特にスマートフォンなどのモバイル機器に電子証明書を配布する際に有効な機能という。
さらに、運用に際して大きな負担となっていた電子証明書の更新忘れを防ぐため、自動更新機能も追加している。「従来は、電子証明書の期限が切れてしまうといっさいアクセスなどができなくなり、融通がきかなかった。オプションとして自動更新機能を提供することで、ライフサイクル管理を容易にする」(南氏)。
価格体系も、電子証明書の発行枚数に基づくものから、シート数に基づくものへと変更する。参考価格は、1シート当たり8000〜9000円程度から。MDM(Mobile Device Management)やDLP(Data Loss Prevention)といった、シマンテックあるいはサードパーティのサービスと連携したソリューションも提供していく方針だ。
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