バックオフィスで利用履歴の把握も
セーフネット、SaaSとオンプレミスのハイブリッドライセンス管理
2012/05/16
日本セーフネットは5月15日、独立ソフトウェアベンダ(ISV)向けのライセンス管理サービス「Sentinel Cloud Services」の機能を強化し、日本国内でも提供することを発表した。オンプレミスで導入するソフトウェアパッケージとSaaS形式のアプリケーション、両方に対して、ライセンスや利用権限の管理を行えることが特徴だ。
同社はこれまでも「Sentinel」のブランドで、ソフトウェアライセンス管理製品を提供してきた。ソフトウェアライセンスの生成と配布、アクティベーションや管理といった機能を提供するとともに、違法コピーなどから保護する。2011年には、これらの機能をクラウドサービス向けに提供する「Sentinel Cloud Services」を発表した。
今回の機能拡張では、クラウドサービスとオンプレミスのソフトウェア、両方の管理をSentinel Cloud Servicesで行えるようにした。これにより、オンプレミスで導入されているソフトウェアからSaaSベースのソリューションへという、ISVのビジネスモデルの移行を支援する。
もう1つの特徴は、どのパッケージのどの機能が、いつ、どのユーザーによって、どのくらいの頻度で利用されているかといった、ソフトウェアの利用状況をリアルタイムに把握できることだ。顧客の利用履歴に関するインテリジェントなデータを手に入れることができれば、「人気の高い機能の強化には開発リソースを投入すればいいし、あまり利用されていない機能については、トレーニングツールや学習用コンテンツを提供するといった手を打つことができる。これにより、顧客満足度の向上につなげることができる」(米セーフネット ソフトウェアライツマネジメント プロダクトマネジメント担当バイスプレジデント ジェイク・フォックス氏)。
「クラウドによって、ソフトウェア販売の方法は根本的に変化しようとしている。オンプレミスのソフトウェアパッケージは販売すればそれきりだったが、クラウドでは、顧客と継続的に関係を保ち、改良していくことがビジネスチャンスにつながる」(フォックス氏)。
日本セーフネットではSentinel Cloud Servicesの提供に向け、架空のアプリを例にとってライセンス管理や履歴収集機能を体験できるデモンストレーション用サイトを6月に公開する。2012年内に、日本語マニュアルやサポート窓口などを用意し、日本語版サービスの提供を開始する予定だ。また請求書発行業務などを支援するため、課金や帳票といった機能を提供するサードパーティとの連携も模索する。
Sentinel Cloud Servicesの料金は、250ユーザーライセンスを管理する場合で、年額112万2000円。追加料金は1ユーザー当たり月額280円からとなっている。
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