証明書管理サービスで一元管理を可能に

エントラスト、日本市場でもSSL証明書発行サービスに本格参入

2012/06/26

 エントラストジャパンは6月26日、日本語によるSSL証明書購入サイトをオープンした。ワールドワイドでは2000年からSSL証明書発行サービスを展開してきたが、日本市場にも本格的に参入することになる。

 同社は、1996年にノーザン・テレコム(当時)の暗号開発部門からスピンアウトしたセキュリティ企業だ。プライベート認証局を構築する「Entrust Authority」やマネージドPKIサービスのほか、それを用いた認証製品などを提供している。

 あらためて日本のSSL証明書発行ビジネスに参入する理由を、米エントラストのグローバルフィールドサービス担当シニアバイスプレジデントのピーター・ベロー氏は、「SSLは、安全なインターネットブラウジングの基盤だ。日本への投資を通じて、SSL証明書に関して大手プレイヤーになりたい」と述べた。日本語サイトの開設と同時に、日本語による検証/サポート体制も整え、国内での販売を本格化するという。

 とはいえSSL証明書市場においては、シマンテック(ベリサイン)が大きなシェアを占めている。そこでエントラストでは、「シマンテックよりもやや購入しやすい価格で、かつ信頼とセキュリティを打ち出すことで差別化を図りたい」(ベロー氏)という。有効期限内であれば、あるサーバから別のサーバへの移し替えも可能にするなど、柔軟なライセンス体系も用意する。

 中でも特徴は、「Certificate Management Service(CMS:証明書管理サービス)」によって、単一のインターフェイスで自社内のすべてのSSL証明書を管理できることだと同氏は説明した。実際、同氏が顧客にヒアリングしたところ、Webサイトの脆弱性スキャンや検索サービスとの連動よりも、証明書の管理機能を強化してほしいというニーズが高かったそうだ。

 「自社が利用しているSSL証明書をすべて見つけ出し、管理する作業は手間の掛かるものだ。CMSとそのオプションである『Discovery Agent』と『Discovery Manager』を利用すれば、ネットワーク全体をスキャンして、エントラストが発行したものだけでなく、ベリサインやコモドなど他社が発行したものも含め、どんな証明書があるかを把握し、管理できる」(ベロー氏)。

 部署ごとにばらばらに購入していたSSL証明書の有効期限の管理やポリシーの適用を一元化することで、Excelなどを使って手作業で管理する場合に比べ、管理の負担を省き、ミスや更新漏れなどの発生を防ぐことができると同氏は説明した。

 さらに、2011年に発生した偽造証明書発行事件の教訓も踏まえ、「幸いエントラストはいままで侵害を受けていないが、日々、ハードウェアやソフトウェア、ポリシーの各面から認証局の保護に力を注いでいる」(ベロー氏)。同時に、認証局どうしの相互認証の枠組みなどについて、業界全体で取り組んでいくとした。

(@IT 高橋睦美)

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