早期のアップデートが困難な場合は引き続きJavaプラグインの無効化を
Oracle、Javaの脆弱性を修正する緊急アップデートを公開
2012/08/31
米Oracleは8月30日、ゼロデイ攻撃が報告されているJava 7の脆弱性(CVE-2012-4681)を修正する緊急アップデート、「Java 7 Update 7」を公開した。同社は、可能な限り早期にこのアップデートを適用するよう推奨している。
この脆弱性はJava 7 Update 6以前に存在する。Javaが動作する環境であれば、WindowsだけでなくMac OS XやLinuxにも影響が及ぶ。
もし悪用されれば、悪意あるWebサイトにアクセスしただけで任意のコードが実行され、マルウェアを埋め込まれたりする恐れがある。NTTデータ先端技術によれば、細工を施したWebページに誘導することで、ターゲットシステム(Windows XP SP3+Java SE JRE 7 Update 6)の制御を奪取できることが検証できた。このケースではInternet Explorer 7だけでなく、Firefox 14やGoogle Chrome 21といったブラウザを介しても、攻撃が成立したという。
脆弱性について指摘したセキュリティベンダ、FireEyeによれば、現にこの脆弱性を悪用したゼロデイ攻撃が報告されているという。
解決策は、Oracleのアップデートを適用することだ。このアップデートは、ゼロデイ攻撃に利用されたものも含め、4件の脆弱性を修正する。うち3件はJava 7 Update 6以前の脆弱性を、残る1件はJava 7 Update 6以前/Java 6 Update 34以前の脆弱性を修正する。このため、Java 6の環境でも早急なアップデートが望ましい。
もし、既存アプリケーションとの整合性の問題などでアップデートが困難な場合は、手元のWebブラウザの設定を変更し、Javaプラグインを無効化することが推奨される。
関連リンク
情報をお寄せください:
- Windows起動前後にデバイスを守る工夫、ルートキットを防ぐ (2017/7/24)
Windows 10が備える多彩なセキュリティ対策機能を丸ごと理解するには、5つのスタックに分けて順に押さえていくことが早道だ。連載第1回は、Windows起動前の「デバイスの保護」とHyper-Vを用いたセキュリティ構成について紹介する。 - WannaCryがホンダやマクドにも。中学3年生が作ったランサムウェアの正体も話題に (2017/7/11)
2017年6月のセキュリティクラスタでは、「WannaCry」の残り火にやられたホンダや亜種に感染したマクドナルドに注目が集まった他、ランサムウェアを作成して配布した中学3年生、ランサムウェアに降伏してしまった韓国のホスティング企業など、5月に引き続きランサムウェアの話題が席巻していました。 - Recruit-CSIRTがマルウェアの「培養」用に内製した動的解析環境、その目的と工夫とは (2017/7/10)
代表的なマルウェア解析方法を紹介し、自社のみに影響があるマルウェアを「培養」するために構築した動的解析環境について解説する - 侵入されることを前提に考える――内部対策はログ管理から (2017/7/5)
人員リソースや予算の限られた中堅・中小企業にとって、大企業で導入されがちな、過剰に高機能で管理負荷の高いセキュリティ対策を施すのは現実的ではない。本連載では、中堅・中小企業が目指すべきセキュリティ対策の“現実解“を、特に標的型攻撃(APT:Advanced Persistent Threat)対策の観点から考える。