1つのハードウェアで無線LAN環境のトラフィックを「クリーン」に
フォーティネット、「UTM+無線LAN AP」の新製品
2012/09/19
フォーティネットジャパンは9月19日、Wi-Fi機能を搭載したUTMアプライアンス「FortiWiFi」、2機種を発表した。1つの筐体でUTMによる統合セキュリティ対策と無線LANアクセスを提供するほか、VPNによるリモートアクセスや電子証明書を用いた認証といった多様なセキュリティ機能をまとめて提供することが特徴だ。
新機種「FortiWiFi-40C」と「FortiWiFi-60C」は、小規模オフィスや拠点、小売店舗などを対象とした製品だ。ファイアウォール、IPSec/SSL VPN、不正侵入検知/防御、アンチウイルスやアプリケーション制御などの機能を提供するUTMアプライアンス「FortiGate-40C」「同60C」をベースに、IEEE 802.11a/b/g/n対応の無線LANアクセスポイントを搭載している。同時に、既存の無線LANアクセスポイント製品「FortiAP」に対する無線LANコントローラとしても動作する。違いはパフォーマンスで、FortiWiFi-40Cはファイアウォールのスループットが最大200Mbps、FortiWiFi-60Cは1Gbpsとなっている。
近年、モバイルデバイスの普及にともなって社内でも無線LANを利用するシーンが増えている。新製品はそうした環境で、VPNによる暗号化通信とセキュリティゲートウェイでの認証、トラフィックの検査を行い「イントラネットに流れるトラフィックをクリーンなものにし、社内のさまざまな資産を保護する」(同社マーケティング プロダクトマネージメントディレクター 根岸正人氏)。さらに、2012年秋にリリース予定の「FortiOS 5.0」では、エンドポイントコントロール機能を強化し、ネットワーク上のデバイス名とOSの識別機能を追加する計画だ。
また、1台で5つの機能を提供するため、「複数の機器、複数の管理インターフェイスを併用する必要がなく、管理をシンプルにできることがメリット」(根岸氏)という。
価格はオープンプライス。UTMのフル機能をオンにした場合の参考価格はFortiWiFi-40Cが14万2000円、FortiWiFi-60Cは22万7000円。無線LAN環境の包括的な保護に向け、販売代理店と連携し、MDMと組み合わせたソリューションも展開していくという。
なおフォーティネットジャパンは同時に、FortiAPの新製品「FortiAP-221B」も発表した。DFS(Dynamic Frequency Selection、動的電波周波数選択)機能などを追加したことが特徴で11万9000円。
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