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あっ、驚かせてしまってすいません。今日からこちらに派遣でお世話になります、大地あかねです。よろしくお願いします。
ああ、そうでしたか。経験豊富なプログラマとうかがっています。ええと、私はリーダーの甲山、この2人はプログラマの乙崎くんと丙谷くん。よろしくお願いしますね。
こちらこそ、よろしくお願いします!
さっそくですが、今回開発するのは、ビデオ・チェーンの店舗向け会員管理用Windowsアプリケーションなんです。
すいません。先ほどちょっと立ち聞きしてしまいました。重要要件は高いレスポンス性能と低コスト開発で、組み込み用データベースの選択がカギになるということですね。
これは話が早いな。ところで、大地さんはいま、今回の組み込み用データベースとして最適な製品があるといっていましたね。
つい興奮して大声を出してしまって、お恥ずかしいです。でも、おっしゃるとおり、パフォーマンスも高く、手軽で、しかも安価な組み込み用データベースとして、お奨めの製品があるんです。以前に別の案件で使ったことがありまして、うまくいったものですから。
へぇ、それはM社製品? それともO社製品かな?
ご存じないかもしれませんが、米国のPervasiveという会社が開発したPervasive PSQLという製品です。国内ではエージーテックが販売しています。
Pervasive PSQL? 聞いたことないな。で、どこが今回の用途に最適なんですか?
アプリケーションからDBMSへのアクセス・インターフェイスとしては、ODBC(Open DataBase Connectivity)やJDBC(Java Database Connectivity)、OLE DB、ADO.NETなどが一般的ですけれど、これら以外にもあるんですよ。
いまどきのアプリケーションなら、それらのインターフェイスを使うのが常識でしょ?
キミ、これまでどんなシステムを開発してきたのか知らないけど、混乱させないでほしいな。
まあまあ、そう頭ごなしに決めつけなくてもいいだろう。それで、別の方法とは、どんなものですか?
確かに、知名度の高いインターフェイスという意味では、さきほど挙げたものだと思います。けれども今回は、Windowsアプリケーションに組み込む軽量で安価なデータベースを探していらっしゃるんですよね?
そうです。
であれば、そうした著名なインターフェイスだけでなく、ほかにも視野を広げると、便利で有効な方法があるんです。特に今回のような組み込み用途なら、RDBをローレベルでアクセスできる「ISAMインターフェイス」の活用を考えてはどうでしょう。安価で軽量、コンパクトで高速という、今回の必要要件をすべてクリアできますよ。
ISAM(アイサム)インターフェイス? それはいったい何だい?
ISAMというのはIndexed Sequential Access Methodの略で、もともとはIBMがメインフレーム・コンピュータ用に開発したデータ格納手法です。現在使われているほとんどのRDBMSも、データ格納のベース・テクノロジとしてISAMを応用しています。
それは知らなかったな。しかし、そのISAMインターフェイスとやらが、今回のケースにどう適合するんだい?
Pervasive PSQLは、組み込み用途を強く意識して開発されたDBMS製品で、ODBCやJDBC、ADO.NETなどの標準インターフェイスを備える一方で、Btrieve(ビートリーブ)と呼ばれるISAMベースのローレベルなインターフェイスを提供しています。他社製品同様に、標準インターフェイスも使えますが、Btrieveは非常にスループットが高いので、高いレスポンス性能が要求される今回の目的にうってつけだと思うんです。
Btrieve? ローレベル・インターフェイス? たとえ軽くて速くても、そんなマイナーなインターフェイスを使ったら、後々困るんじゃないの? 信頼性とか、サポートとか、将来性とかが不安じゃないですか?
確かに知名度は低いかもしれませんが、実はBtrieveというのは、もう20年以上の歴史があるインターフェイスなんですよ。組み込み用途などでは幅広くいろいろな製品に使われていて実績もあります。
ローレベル・インターフェイスか……。
少なくとも、候補の1つとしてBtrieveの利用を検討する価値はあると思います。乙崎さんのお話では、お客さまは混雑時のアプリケーション性能を最も重視されているとか。店舗によっては、旧式で、あまり性能の高くないPCを使うケースもあるようですが、Pervasive PSQLのローレベル・インターフェイスを活用すれば、間違いなくADO.NETなどの汎用インターフェイスを使うよりもトランザクション性能は上がると思います。
確かに一理あるかもしれない。しかし今回開発するのは店舗業務が大きく依存するシステムだから、性能だけでなく、信頼性や将来性の点でも私たちが自信を持てるとともに、それらを顧客にも説明できなければいけない。
おっしゃるとおりですね。でもご安心ください、信頼性や将来性もご心配には及びませんから。
(第2話に続く)
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登 場 人 物 |
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大地 茜(だいち あかね) この道10年の経験を持つ派遣会社のやり手プログラマ。これまで、数々の難関ソフト開発プロジェクトを持ち前の知識と技術力で成功に導いてきた。 |
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甲山(こうやま) ソフト開発会社(茜の派遣先)のプロジェクト・リーダー。 |
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乙崎(おつざき) 甲山の下で働くプログラマ 。 |
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丙谷(へいたに) 乙崎と同じく、甲山の下で働くプログラマ。 |
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提供:株式会社エージーテック
企画:アイティメディア 営業局
制作:デジタル・アドバンテージ
掲載内容有効期限:2008年7月12日
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