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@IT[FYI] 企画:アットマーク・アイティ 営業企画局
制作:デジタル・アドバンテージ
掲載内容有効期限:2004年7月29日

 
 

デジタル変革が呼ぶ新たなIT需要
インテルのビジネス戦略

2. 継続的な投資が次の飛躍を生む

 前ページでは、Intel Analyst Meetingから、デジタル革命が誘引するIT技術への新規需要とエコシステムの構築を通じたインテルのビジネス戦略について解説してきた。ここでは、コミュニケーション分野と投資について、インテルの戦略を見ていく。

   コンピューティングとコミュニケーションの融合が成長のカギ

 インテルは、さらなるコンピューティングと通信の融合を推進し、新しい市場を開拓している。主席副社長 兼 インテル・コミュニケーションズ事業本部長のショーン・マローニは、「ユーザーが、有線ネットワークやセルラ・ネットワーク、ブロードバンドPC、WiFiを通じて、いつでも、どこでも、適切なネットワークに接続できる『Best Connected』な環境を整える」と述べている。

 前述のように通信向け半導体市場は大きく、インテルにとって成長の余地が十分にある。“あらゆるコンピュータは通信し、あらゆる通信機器はコンピューティングを行う”というビジョンのもと、コンピュータと通信の融合を促進する技術の開発を推進し、この分野においてリードすることを目指している。インテルが特に注力する分野は、インフラストラクチャ、フラッシュメモリ、ワイヤレスの3分野である。

 インフラストラクチャでは、ルータや第三世代携帯用の基地局装置などに採用されるネットワーク・プロセッサ・アーキテクチャの開発や、キャリア・グレード通信システムの標準規格「AdvancedTCA(Advanced Telecom Computing Architecture)」の策定を通じて、従来の通信機器に見られた独自仕様に代わる新たな業界標準型のソリューションを推進している。この標準型のソリューションは、主要な業界各社の支持を獲得し、2007年にはその市場セグメント規模が200億ドルに達すると見込まれており、インテルの収益への貢献が期待される。

 携帯電話の多機能化により大きく需要が伸びているフラッシュメモリは、インテルが製造技術を活かして、競争力を維持している。業界に先駆け、90nm(ナノメートル)プロセス製造と多値化技術を採用することにより、130nmプロセス製造の1ビット/セルのフラッシュメモリに対して、同じ200mmウエハから4倍以上のダイの個数を生産可能としている(同容量の場合)。また、さらにデータの書き込み速度を高めるなどの新しい技術を開発することにより、フラッシュメモリの応用分野の拡大も図っていく計画だ。製造面では、2006年に65nmプロセス、2008年に45nmプロセスと、最先端の製造プロセスをフラッシュメモリに適用し、チップの小型化と低コスト化を図る。

 コンピューティングと通信の融合は、さらに携帯電話やPDA(小型携帯コンピュータ)などのワイヤレス機器でも展開されている。ワイヤレス機器の高機能化・高性能化に伴い、処理能力やグラフィックス機能を強化し、高度なデータ処理を可能にしたXScaleをベースにした携帯電話/PDA向けプロセッサを出荷し、市場で成功を収めている。これと同時に、Bluetooth、WiFi、WiMAXなどのワイヤレス通信規格の策定や普及にも取り組み、コンピュータと通信の融合を加速させている。

インテルがサポートするワイヤレス技術
インテルが展開するワイヤレス技術
WiMAX、IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth、UWBをサポートすることで、モバイル環境における利便性を高める計画だ。ある程度固定された環境では、WiMAXによる高速な無線通信を行い、外出先ではIEEE 802.11a/b/g/n、周辺機器との接続にはBluetoothやUWBが使われることになる。
 
   投資の継続こそが成長を約束する

 IT業界の景気後退にもかかわらず、インテルは景気の波に影響されずに継続的な投資を行ってきた。300mmウエハ対応の製造工場や90nmプロセス技術などに対し、2001年は73億ドル、2002年は47億ドルの投資を行った。今後は次世代の65nmプロセス以降の製造に対しても投資を継続する。インテルは、「たゆまない先行投資により、次の成長期に大きな飛躍が可能になる」と述べる。

IT不況下にも積極的な投資を継続
IT不況下にも積極的な投資を継続
IT不況からの回復とともに、最新の技術を採用した製品を量産できる体制を整え、高い収益の成長を目指す。
 
将来の成長に向けた積極的な投資
将来の成長に向けた積極的な投資
2003年に続き、2004年も半導体工場を中心に38億ドルを設備投資する計画だ。このうち50%が将来の成長を支える65nm以下の製造プロセスへと使われる。これにより、2005年に予定されている65nmプロセスをいち早く立ち上げ、さらなる製造コストの低減を実現する計画だ。

 「技術の差別化こそ、勝負の分かれ目。300mmウエハや65nmプロセスの採用、そしてこの製造技術による優れた製品といった技術優位性によって、コスト優位性が生まれる。さらに、このコスト優位性により、マージンを確保しながらも安価な製品を製造することができ、ひいては製品の需要拡大をけん引する」と主席副社長 兼 CFO(最高財務責任者)のアンディー・ブライアントは語る。

 実際、IT不況下でも投資を継続したことで、業界でもいち早く300mmウエハと90nmプロセスによる半導体製造を実現した。さらに2004年第3四半期期中には、90nmプロセスによるマイクロプロセッサの生産を加速し、前世代の130nmプロセス製品の出荷量を上回る予定だ。このようにプロセスの世代交代を急速に進めることにより、プロセッサの価格競争力が増し、市場回復の動きのある中、さらなる飛躍をとげるチャンスとなっている。

ファブ名 場所 製造プロセス 状態
D1C オレゴン 90nm 2003年生産開始
F11X ニューメキシコ 90nm 2003年生産開始
D1D オレゴン 65nm 2003年開発開始
65nm 2005年生産開始予定
F24 アイルランド 90nm 2004年生産開始
F12 アリゾナ 65nm 2005年生産開始予定
300mmウエハを採用する半導体工場

 インテルは、常に新しい市場を開拓し、継続的な成長を目指している。デジタル変革によって生まれる新たなIT技術へのニーズやトレンドを最大限に利用し、その成長を加速する。「コンピュータと通信の融合」や「コンピュータとデジタル家電の融合」を推進する技術や製品をいち早く開発しながら、「エコシステムの構築」と「次世代の成長に向けた、たゆまぬ投資」を断行する。戦略的な投資と研究開発により市場を拡大し、自らの高い成長を継続するというインテルのビジネス戦略が見える。

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index デジタル・トランスフォーメーションがもたらす新たなIT需要
  1. デジタル変革が新たな市場を創造する
2. 継続的な投資が次の飛躍を生む
 
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