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震災アプリ開発者が語る本音の体験談
第2回 みんなで頑張ろう日本:震災時に発揮された日本Azureコミュニティの威力
2011/06/01

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 皆さま、こんにちは。亀渕です。

 「Windows Azure体験記」第2回ではコミュニティについて書きたいと思います。

    身近なコミュニティと遠くのコミュニティ  

 わたしは普段、Japan Windows Azure User Group(JAZUG)に参加しており、そこでWindows Azureに関するいろいろな情報交換を行っています。

 といっても、JAZUGは「ゆるふわ」を自称しており、その名のとおり、緩いつながりで形成されているコミュニティです。

 イベントやWindows Azure関連のセミナー時などはメンバー間で協調していますが、基本的にTwitter上やBlog上で、各自が自由に活動しています。

 「ゆるふわ」とはいいつつも、本連載の第1回でも少し触れましたが、東北地方太平洋沖地震の際はコミュニティで大きな目的を共有し、問題解決に当たっていました。

 メンバー間の連携手法としては、長文での試行錯誤や意見交換を行う場合は文字数に制限のないメールで、成果物や情報のインプットとアウトプットはTwitterで行うといった使い分けも自然と行われたのが印象的です。

 それでも、もともとのつながりがあったおかげで、意思疎通は比較的スムーズでした。また、特に誰かが旗を振って先導せずともJAZUGらしい自発的な行動が取られ、メンバー同士でうまく協調していました。

 一方で、普段、あまり接点のないコミュニティとの連携はどうだったのでしょうか?

 この震災の対応でキーとなったインフラは(少なくともわたしの主観では)Twitterだったのですが、Twitterを通じてコミュニティ同士が必然的に協調動作を行っているように思えます。

 県庁公式サイトの過負荷対策では、ほかのコミュニティの方と直接連携しながら対応もしましたし、大きくかかわっている分野が似ていると、おのずと同じような行動に出るのだなということが実感できました。

 そういった意味では単に粒度が異なるだけで、同じクラウドやITといった分野の大きなコミュニティとして活動していたと見てもよいのかもしれませんね。

[参考]

震災翌日のTwitter上におけるJAZUG関連の活動状況は、グーグルのリアルタイム検索より垣間見ることができます。


    発芽・成長・継続  

 「いざ」というときの瞬発力は、やはりどのコミュニティもすごかったように思えます。JAZUGに関しては、メーリングリストに参加しているので、活発な状況というのはすぐに分かったのですが、Twitter上でのアウトプットや流量を見るに、ほかのIT関連のコミュニティも同じような状況であったことが推測できます。

 特に、「何をする?」といったアイデア出しから実際に開発や構築までのスピードはすごく速かったです。

 キャッシュ・サーバもそうですが、いったんアウトプットを出せば、そのアウトプットに関連する界わいに、あっという間に情報が拡散されていきました。また、興味を持った方が作業を手伝ってくださったり、必要な情報を提供していただいたりと、あらためてソーシャル・ネットワークのありがたみが分かりました。

 また実際のところ、キャッシュ・サーバのアイデアそのものは特殊なものではありませんので、構築をしたのはわたしが最初ではありませんでした。 特に不思議なことではないのですが、同じようなタイミングでTwitterを通じてキャッシュ・サーバのアウトプットを出されていたことに何かしらの必要性を感じました。

 また、今回、Windows Azureストレージを使用した簡単なファイル共有用のWebサイトを構築したときのことを思い返してみると、コミュニティの人脈によって知り合ったデザイナーに支援していただいて、きれいなWebサイトに仕上がっていくなど、新しいつながりと連携もありました。強制でも仕事でもない状況で、多くの人が協調できるのはコミュニティの特徴であり良さであり、人とのつながりはいいものだな、ということが実感できます。

 最近では少し落ち着きを取り戻しましたが、これまでの結果は消えることなく、多少の変化はあれど、いまも継続していると思います。ただ、この「継続」が一番難しく悩ましい点であることも考えていかなくてはなりません。瞬間的に広まった行動というのは維持が大変ですよね。これは何もITに限ったことではないと思いますが、今後数年・数十年のスパンで復興や支援を行うためには、1人ではなく、多くのコミュニティが絡み合い、助け合いながら継続すべきだと思います。

    まとめ  

 複数人いれば1人では無理だったことも実現できるものです。そして、継続していくときに助け合っていくことができます。仮に全て1人でできたとしても、処理能力的にいずれ限界や無理が来てしまいます。

 並行で対応したり、ブレイン・ストーミングを行ったり。コミュニティはある目的に沿って形成していますので、気になったことや、思い付いたことをどんどん発言するには良い場だと思います。

 今回、わたし自身が、「どうなるか」と先行き不安なところもありましたが、ちょっとした「一声」から始まり、少しでも動き出したことが結果につながったという実感があります。きっかけはいつもささいなことですね。

 すでにコミュニティに参加して積極的に活動されている方も、そうではない方も、再度、つながりを意識して接すれば、また違った世界が広がると思います。草の根活動を大事にし、皆さんで新しい世界を作り上げていきましょう。

 



インデックス
  Azure体験記:
  震災アプリ開発者が語る本音の体験談
第1回 震災アプリ開発体験談:Azureがどう役立ったか?
第2回 みんなで頑張ろう日本:震災時に発揮された日本Azureコミュニティの威力
第3回 みんなで頑張ろう日本:震災時には、こんなAzureアプリが登場した【震災アプリ開発者の視点】
 

 

提供:日本マイクロソフト株式会社
企画:アイティメディア営業企画/ 制作:デジタル・アドバンテージ
掲載内容有効期限:2011年7月15日


亀渕 景司
亀渕 景司
株式会社 ビービーシステムに所属。 主にマイクロソフト製品について技術支援や営業支援を行う。 昨今はWindows Azureをはじめ、クラウドを中心としたソリューションの開発や技術の追求を行っている。



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