中堅スーパーのデータ活用物語 「BIなんて人ごと」と思っていたシステム管理者の挑戦 登場人物とあらすじ |
登場人物 | |
番次郎(ばんじろう)。31才。「フクフクドー」情報システムの実質的な管理責任者。新しいことのリスクを常に考える慎重派。立場上、情報システムの最新トレンドには敏感だが、多くはIT企業の都合のよい売り口上であり、中規模システム管理の現場を担う自分には無関係だと思っている。 |
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いぶき。25才。修行中ではあるものの、チャレンジ精神旺盛な新米システム管理者。新しいことに興味津々。椎来(しいくる)の依頼を何とか解決しようと孤軍奮闘する。上司でもある番次郎を何とか説得して、最新のデータ分析手法にチャレンジする。 |
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椎来 太郎(しいくる・たろう)。31才。番次郎と同期入社の営業企画部課長。手元にあるさまざまな情報をうまく活かして売り上げ増大につなげたいが、従来のありきたりなExcelの集計だけでは、具体的にどうしたらよいか、なかなか糸口が見つからない。 |
フクフクドー営業企画部課長の椎来は、新たな店舗の売り上げ拡大策を検討しているものの、いいアイデアが浮かばない。顧客アンケートの結果をExcelで集計したが、そこから先に進まない。そこで、情報システム部の若手エンジニア、いぶきに相談することに。
いぶきが調べた結果、BI(Business Intelligence)のデータマイニングという手法が使えそうだと分かる。いぶきの上司である番次郎に相談したが、BI導入には慎重な姿勢。いぶきはあきらめず、SQL Server 2005+Data Mining Add-ins for Office Systemで手軽にBIが実現できることを知る。マイクロソフトがインターネット上で提供しているSQL Serverの試用サービスを使えば、投資ゼロで検証できることも分かり、顧客アンケートの分析を試してみることになった。
無償試用可能なオンライン・サービスのSQL Serverを利用し、椎来の手持ちのアンケート結果を分析してみたところ、Excel単独ではなかなか見付けられなかった、さまざまな顧客動向を明確化することができた。その結果から、新たな売り場構成のアイデアを思い付き、実際に店舗でテスト展開してみたところ、上々の成果が得られた。
予想外の成果におどろく番次郎。「これなら」と、本格的にBIシステムの導入を決意する。システムの導入によって何が可能になるのか……。
■ 第3回のあらすじ ■
フクフクドー営業企画部の椎来からの救援要請で、BIシステムの導入に取り組んだ情報システム部のいぶきと番次郎。椎来がかねてより懸案として抱えていた「POSデータの有効活用」にBIシステムを応用することに。SQL Serverのレポーティング・サービスと、SQL Server標準機能のアプリケーション開発環境を活用することで、POSデータをビジュアル化する本格的なアプリケーションを、システム管理者である自分たちだけで開発することに成功した。
店舗内の棚配置と対照させながら売上を確認できるビジュアルなレポートを椎来は高く評価。次のテーマとして、このレポートを営業企画部内で共有できないかと、新たな提案を切り出した。
■ 第4回のあらすじ ■
フクフクドー営業企画部の椎来から新たにPOSデータのレポートを営業企画部で共有したいという依頼を受けた、いぶきと番次郎。椎来だけがレポートを見られるのではなく、営業企画部のほかのメンバーとも情報を共有することで、部員が販促企画や店舗開発などを考える際の材料にしたいというのだ。
しかし、Excelファイルをファイル・サーバで共有するといった単純な方法では実現が難しいことが分かる。そこで、新たに情報共有の仕組みとして、Microsoft Office SharePoint Server 2007を導入することにした。■第5回のあらすじ■
フクフクドー営業企画部の椎来の要請による、営業企画部内の情報共有を実現した番次郎といぶき。一段落もつかの間、番次郎は経営会議で新たな課題を持ち掛けられてしまった。いまある情報を元に、各店長が行っている仕入れ作業向けの情報支援を行い、仕入れ精度向上による在庫効率アップを達成すべしという。
椎来に相談したところ、各店舗からのPOSデータを元に、予想来店者数から販売見込みを予想できるExcelシートがあるので、これを店長に提供してはどうかということになった。ところが店舗のPCには、必ずしも最新のExcelがインストールされていないことが判明する。番次郎といぶきは、Microsoft Office SharePoint Server 2007のExcel Serviceを利用して、この問題を解決した。