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@IT > あなたのPC。本当はもっと速い |
企画:アットマーク・アイティ
営業企画局 制作:デジタル・アドバンテージ 掲載内容有効期限:2004年7月11日 |
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ひところに比べると、ハードディスクの断片化(フラグメント)に対してあまり注意を払わなくなった。 大きな理由の1つは、PC全体の処理速度向上だろう。マイクロプロセッサやメモリ、ハードディスクの性能向上は、いまなおめざましい勢いで進行中だ。またハードウェアの進化に歩調を合わせて、ソフトウェアも大きく進歩した。その昔は、Windows OSやアプリケーションの起動にずいぶんと待たされたり、サイズの大きなファイルの読み書きにイライラしたりしたものだ。しかしこうしたPCユーザーの不満は、PCの進化とともに自然と聞かなくなっていった。 しかしだからといって、ディスクの断片化がなくなったわけではない。いやむしろ、以前よりも断片化を進める要因は増えている。断片化が進むと、ファイルの読み書きを実行する際に、遅いハードディスクのシーク処理が頻発するようになる。当然ながら、ディスク・アクセスのオーバーヘッドは増加して、PC全体の処理性能を低下させる。前述のとおり、PC全体の性能が向上して、ハードディスクの断片化による性能低下に気づきにくくなった。またディスクの断片化による性能低下は少しずつ進むので、PCを毎日使っていると変化に気づきにくく、問題が表面化しづらいという特徴がある。しかし、Windows PCを長期間使い続けると、使い始めより実行速度が低下しているという漠然とした感覚は、多くのユーザーが共有しているところだろう。 ディスクの断片化による性能低下はどれほどのものか。ここでベンチマーク・テストをご紹介しよう。以下は、Windows XP ProfessionalをインストールしたPCで、ディスクの断片化を約18%まで進めて、デフラグメント処理を実施する前と後で、Windows OSの起動時間とファイル・アクセス時間の違いを計測したものだ。
1番目のOS起動時間では、デフラグの実行によって起動時間は約76%に減少した(20.09秒→15.28秒)。これもかなりのものだが、次のファイル・アクセス時間では、驚くべきことにデフラグ前と後では2倍以上も実行時間に差がある(デフラグ前に比較し、デフラグ後は43%に減少)。
前出のテストに使った断片化18%というのは、それほど激しい断片化の度合いではない。デフラグメントを実行することなくWindowsを使い続ければ、すぐにでも到達するレベルである。状況によって影響は異なるとはいえ、無視できない性能低下がディスクの断片化によってもたらされることは間違いない。 現在の一般的なデスクトップPC用途で、ディスクの断片化を進める大きな要因としては次のようなものが考えられる。 ■ Webアクセスの増大 この問題は、インターネット上のWebページにアクセスする場合だけでなく、社内のWebアプリケーション(Webサーバとして構築されたサーバ・アプリケーションに、Webブラウザでアクセスするタイプの業務アプリケーション)にアクセスする場合も同様に発生する。ブラウザさえあればどこからでもアクセスできることから、業務システムへのWebアプリケーションの採用はますます進んでいるが、これがディスクの断片化を助長している。 ■ パッチ/Service Pack適用 ■ ファイル圧縮 ディスクの断片化が進むのはクライアントPCばかりではない。用途にもよるが、むしろ複数のユーザーに対してサービスを提供するサーバPCの方が、ファイルの生成と削除が繰り返されることによる断片化が進行しやすく、断片化による性能低下が業務効率に及ぼす影響は大きい。またサーバPCで断片化があまりにも進むと、通常のサービス提供に対する処理性能が低下するだけでなく、定期的なファイル・バックアップにかかる時間が増大するなどの問題もある。
ディスクの断片化による性能低下は、エンド・ユーザーの生産性を低下させるとともに、フラストレーションを増大させる。これはやがて、PC環境の更新に対するユーザー要求につながるだろう。いずれにせよPCの老朽化は進むので、いつかはリプレースを実施するときがやってくる。しかしこのサイクルが3年なのか、5年なのかによって、長期的にみたPCの導入コストは大きく異なってくる。多数のPCを抱える企業では、この差はかなり膨大な金額になる。 PCのコストパフォーマンス向上を考えると、古いPCをいつまでも使い続けることが企業にとってよいとは限らないが、ディスクの断片化などという要因によって、適正なリプレース・サイクルが短縮されてしまうのは避けなければならない。先のベンチマーク・テストの結果をみれば、ディスクの断片化はこの点で無視できる要因でないことは明らかである。 今回は、ディスクのデフラグメントを定期的に実行することで、PCのライフ・サイクルを適正化している事例として、リズム時計工業(株)に取材し、インタビュー記事をまとめている。具体例については、こちらの記事を参照されたい。
Windows 2000より、ディスクの断片化を解消するツールとして「ディスク デフラグ」が標準で提供されるようになった。これを使えば、ハードディスクの断片化を再配置して解消することができる。しかし、個人ユーザーが自身のコンピュータのデフラグを実行する分には相応の機能を備えているが、企業で組織的にデフラグを実施するには、いくつかの決定的な機能が不足している。これらは次のとおりだ。 ■ 集中管理ができない 電子メールなどを使って、デフラグ実行を促すメッセージを各ユーザーに送るという方法もある。しかしこの指示どおりにユーザーが作業してくれる保証はない。またデフラグを実行するには、ユーザーはコンピュータの管理者権限が必要になる。全ユーザーに管理者権限を与えてもよいが、これは中央での集中管理を放棄することにほかならない。 ■ スケジュール実行ができない ■ デフラグ・エンジンの性能が低い
プロフェッショナルWindowsユーザー向けの各種ツールを手がけるネットジャパンが販売するデフラグメント・ソフトウェアの最新版が「PerfectDisk 6.0」である。このPerfectDisk 6.0では、システム管理者がリモートから各クライアントPCのデフラグメントを集中的に実行する機能や、スケジュール実行機能はもとより、Windows 2000/XP標準の「ディスク デフラグ」や他社製デフラグメント・ソフトウェアにはないさまざまな機能が提供されている。
PerfectDisk 6.0のパッケージには次の3種類がある。まず、デスクトップPC向けの「2000/XP Pro版」とサーバ向けの「Server 2003版」の2種類に大別される。そして「Server 2003版」にExchange Server(5.5、2000、2003)のデータ・ストアの回復/デフラグ機能を追加したのが「Exchange Server 2003版」である。
PerfectDisk 6.0の主要な機能をまとめると次のようになる。
また、Windows 2000/Windows XP標準の「ディスク デフラグ」との機能比較をまとめたものが次表である。
すでに述べたとおり、PerfectDisk 6.0の大きな特徴は、デフラグの集中管理が可能なことだ。PerfectDisk 6.0を利用すれば、エンド・ユーザーにコンピュータの管理者権限を与えなくても、リモートからデフラグをスケジュール実行できる(詳細については別項の事例を参照)。Active Directory環境なら、グループポリシーを利用してデフラグの実行を制御可能である。
Windows 2000/XP標準のディスク デフラグで再配置できるのは、基本的には通常のファイルのみで、NTFSのディレクトリ/ファイル管理テーブルであるMFT(Master File Table)やメモリ・スワップに使われるページ・ファイル、ハイバネーション時にメモリ・イメージが保存されるハイバネーション・ファイルなどは再配置の対象にならない(MFTの詳細は別項「ディスク・デフラグメント完全マスター」を参照)。従ってこれらの領域の断片化は解消されないだけでなく、再配置不可能の領域がじゃまになって通常ファイルの再配置も制約を受けることになる。これに対しPerfectDisk 6.0では、MFT、ページ・ファイル、ハイバネーション・ファイルとも、通常ファイルと変わりなく再配置が可能だ。より効率的なデフラグが可能である。 デフラグによる再配置では、ディスクの空き領域を一時領域として使用しながら処理を実行する。十分な空き領域がないと、効率的な再配置ができない。この点Windows 2000/XP標準のディスク デフラグでは、空き領域が15〜20%程度ないと、十分なデフラグが実行できないという警告メッセージが表示される。これに対しPerfectDisk 6.0は、5%程度の空き領域があればデフラグが可能である。ディスクの空き容量が少ない環境では助けられるだろう。 PerfectDisk 6.0のデフラグ・エンジンの特徴は、Smart Placementと呼ばれる独自のファイル配置方式を採用していることだ。このSmart Placementは、ファイルの書き換え頻度を識別し、頻度の高いファイルをまとめて空き領域に再配置し、高速なディスク・アクセスと、将来の断片化発生を抑止するというものである。またPerfectDisk 6.0のSmart Placementでは、ファイルに割り当て済みの領域だけでなく、空き領域の再配置も実行し、新規ファイルの作成を高速化するとともに、ファイルの新規作成による断片化発生を防止できるようにしている。
PerfectDisk 6.0を利用すれば、ディスクの断片化による性能低下を防止し、企業のPC投資を最適なサイクルで実施できるようになる。Windows標準のディスク デフラグもあるが、企業で組織的にデフラグを実施するには致命的な機能不足がある。また再配置できない領域が多く、1回で効率的にデフラグできないなど、デフラグ・エンジンとしても頼りないものだ。 それでも、ディスクの断片化がWindowsの処理性能にどれほどの影響を及ぼすか、疑問をお持ちの読者がいらっしゃるかもしれない。幸いネットジャパンのWebサイトから、PerfectDisk 6.0の体験版を入手することができる。うそか誠か。ご自分の目で確かめてみるのがよいだろう。
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