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ムダに増やさないストレージ戦略 仮想化がストレージのあり方を変える! |
ストレージの容量単価は下がっているはずなのに、トータルのコストが下がらない。こんな悩みを抱えている読者はないだろうか。もちろん、データの増加ペースが速いことも理由だろうが、見えないムダやコストを見逃してはいけない。特にサーバ仮想化やメールアーカイブの保存義務化といった昨今のITのトレンドに沿ったストレージ戦略を立てることが重要だ。 |
サーバ仮想化を機にストレージ戦略見直しを | ||
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仮想化技術の普及、進展によって、サーバ統合を進めている企業も少なくないだろう。このときに見直したいのが、ストレージ戦略だ。サーバ仮想化によって、これまでとは異なるストレージ管理の問題が大きくなってくるからだ。
サーバの仮想化が容易になれば、新規サーバの立ち上げや移動、構成変更を頻繁に行いたくなる。物理的な存在にわずらわされずにサーバの運用・管理が行えるのは仮想化の大きなメリットの1つだ。
しかし一方、従来型のストレージなどであれば、仮想サーバの新規割り当てのたびに、「ボリュームの切り出し、サーバへのマッピング」といったプロビジョニングの作業が必要になり、仮想化本来の管理コスト削減効果が発揮し切れない。また、いったん切り出したボリュームの変更も容易ではなく、使用率に無駄が出るケースも少なくないだろう。
この問題に対する1つのアプローチは、シンプロビジョニングを導入することだ。シンプロビジョニングとは、例えばサーバに対して10TBを割り当てつつも、実際にサーバが利用している容量が1TB未満なら、9TBは割り当てず、将来必要になったときに購入すればいい、という技術だ。いったん割り当てたディスクスペースでも、サーバが利用しなくなれば再び元に戻す、という積極的なアプローチも注目だ。
もう1つ、仮想化に適したストレージ戦略は、1つの大きなストレージプールから各サーバで必要な分を切り出すというものだ。実体は多数のストレージやデバイスで構成される製品でありながらも、管理上は1つの大きなストレージに見える、というソリューションが多く存在する。ファイルシステムレベルで実現するものもあれば、アプライアンス的に実現するものもある。
ストレージプール方式のポイントは、デバイスを買い増して“スケールアウト”できるかどうかだ。容量が不足したときに、すでに存在するストレージプールに対して、新たにデバイスを買い足せば全体の容量を増やせることが望ましい。物理的な機材としても、内部のストレージベイに余裕があるか、スタッカブルなものなど、設置が容易であることも条件だろう。
重複除外でバックアップをスリム化 | ||
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仮想サーバが増えたときに問題となるのは、バックアップだろう。バックアップすべきサーバが増えれば、それだけ必要なストレージ容量も増えていくことになる。
そこで現在、ストレージ削減のカギとして注目されている技術の1つが、“重複除外”だ。メールやオフィス文書など、企業内のデータのかなりの部分は転送によるコピー。同じデータが随所に散在しているのが実態だ。プレゼンテーション資料など重たいデータを複数人に送った場合、それだけ多重にストレージを浪費することになる。重複除外では、ファイルの部分部分を見ているため、1つのファイルに編集が加えられて複数のバージョンができている場合なども、重複部分を排除することで、スペースの節約ができるようになっている。
そこで、こうした重複を検知してバックアップ時には、重複分は1データとしてまとめて扱うソリューションが有効だ。重複除外を行う場所を、バックアップ側とするのではなく、バックアップ対象となるサーバ側とすることでネットワークトラフィックを削減するかも考慮ポイントだ。
サーバ仮想化によって管理対象のサーバが増えれば、バックアップすべきサーバの数が増え、その把握や管理が困難になるという別の側面もある。これもやはり、ストレージプールであれば、かなり管理工数を低減できる。なぜなら、ストレージプール上から見れば、仮想サーバの実体はファイルに過ぎないからだ。もちろん、メールアーカイブだけをバックアップ対象としたいといった細かなニーズに対応するには、相応のソリューションが必要となることは言うまでもないが、ストレージプール導入によるメリットは容量やプロビジョニングの容易さ、管理対象のリソース数の低減といったことにあるわけだ。
ソリューションFLASH Pick UP! |
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提供:アイシロン・システムズ株式会社
株式会社シマンテック
アイティメディア営業企画
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2010年02月07日
ソリューションFLASH Pick UP!
スケールアウト型NAS「Isilon IQクラスタストレージ」
アイシロン・システムズ
ストレージに関するコストは削減しにくいものの1つとして挙げられる。アイシロン・システムズのスケールアウト型NAS 「Isilon IQクラスタストレージ」を導入して、ストレージを仮想化するとTCOを3分の1にできるという。コストや運用負荷がどのように軽くなるのだろうか。
新規ストレージを買い足す前にできることはいろいろある
シマンテック
ほぼすべての業務をITに依存している現在、企業のデータセンターには日々かなりの量のデータが溜まっていく。その情報量の増加に伴ってストレージを追加していくことは、購入コストばかりでなく設置スペースや電力使用料金といったランニングコストにも跳ね返る。データセンターでのコスト削減が求められている今、データを戦略的に管理することでストレージ利用の最適化を図ることは、追加購入の抑制や既存のストレージを減らすことにも繋がる、有効な手段といえる(@IT Special 2009年9月掲載) 。
ストレージを有効利用するための新技術とは
シマンテック
データセンター内にあるストレージの利用率を上げるため、現状を把握してデータの最適配置を行う。これがストレージにかかるコストを減らす1つ目のポイントならば、さらにデータのライフサイクル全体にわたって戦略的に管理し、ストレージを有効利用するのが2つ目のポイントとなる。それを実現する技術として、シンプロビジョニングや重複排除、アーカイブなどがある。これらの新しいテクノロジがどのように適用され効果を上げるのか、ストレージ削減の観点から紹介する(@IT Special 2009年9月掲載) 。
ホワイトペーパーダウンロード
真の仮想化=スケールアウト! 仮想化のリスクを軽減するストレージとは?
サーバの仮想化で実現した運用・資産コストの削減も従来のストレージによる様々なボトルネックが仮想化による利益を帳消しにするケースが多々ある。真の仮想化とは何か?