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@IT > NetBackupファミリーに追加された新しいラインアップ「Veritas NetBackup PureDisk」 |
コラボレーションやドキュメントの再利用に取り組む先進的な企業ほど、複製ファイルの存在によってデータ容量は増加する。そうした企業にぴったりのストレージ管理ツールが、新たにシマンテックから発表された「Veritas NetBackup PureDisk」だ。クライアント側で重複データを排除してからストレージにバックアップする方式を採用しているので、バックアップデータの容量は従来の1/10から1/50とコンパクトになる。ネットワークにかかる負荷も、それだけ小さい。NetBackupメディアサーバ経由でテープメディアにエクスポートできるなど、NetBackup 製品群ならではの統合性も大きな魅力だ。
情報量の爆発的な膨張にともない、企業のデータ容量も急速に増加している。年間平均増加率を60%と推定する調査結果もあり、それだけの容量を格納/管理するためのコストが企業の重荷になり始めた。 そうしたデータ容量増加の一因として指摘されているのが、重複データの存在だ。多くの企業や官公庁は情報共有用のファイルサーバをイントラネット上に構築しているから、適切なアクセス権を持つ人なら誰でもそれを複製して流用できる。また、自分自身で作成したデータを再利用している人も多い。このような使い方は生産性向上には大きな効果があるものの、その一方で、50倍、100倍といった重複データを生み出しているとストレージ管理の専門家は見ている。 シマンテックが新たに発表した「Veritas NetBackup PureDisk」(以下PureDisk)は、このような重複データを含むストレージのバックアップに威力を発揮するデータ保護ツールだ。最大の特長は、処理の対象となるデータ容量を大幅に圧縮でき、それと同時にネットワークにかかる負荷も減らせること。重複データをクライアント側で自動的に排除してからバックアップする方式が採用されているためだ。バックアップイメージをNetBackupのメディアサーバにエクスポートでき、次期バージョンからはディスク上のNetBackupイメージからも重複データを排除可能になるなど、NetBackup製品群ならではの統合性も大きな魅力である。
PureDiskにおけるバックアップとリカバリは、ネットワークで接続されたPureDiskクライアント(PureDiskエージェント)とPureDiskサーバの間で行われる。PureDiskサーバ同士をネットワークで結ぶ分散処理方式にも対応しているので、拠点ごとにとりまとめたバックアップデータを中央データセンターに複製したり、全社のバックアップデータをオフサイトセンターに保管したりするような使い方も可能だ。接続用のネットワークはWANでもLANでもよく、バックアップ専用のものを用意する必要はない。 バックアップ対象のデータは、PureDiskサーバが管理するディスクストレージにディスク ツー ディスク方式で格納される。オフサイト保管などでテープメディアを必要とする場合は、PureDiskサーバからいったんNetBackupのメディアサーバにエクスポートし、それをテープメディアに複製すればよい(図1)。
普通のバックアップソフトウェアと異なり、PureDiskではメタベースとコンテンツから成る独自のデータ構造がバックアップデータの格納に使われている。メタベースは個々のバックアップデータを識別するためのデータ構造で、元ファイルのパス、容量、最終更新日、フィンガープリントと言われるハッシュ値などの情報が記録される。一方、コンテンツはバックアップデータの本体を格納するためのデータ構造で、オリジナルファイルについてはすべての内容、重複するデータが含まれるファイルについては異なる部分が格納される。複製後、何も変更されていないファイルの場合、コンテンツは作成されない。 これらのメタベースとコンテンツを管理するために、PureDiskサーバはメタベースエンジン(メタベース管理)、コンテンツルーター(コンテンツ管理)、Storage Pool Managerの3種類のコンポーネントから構成されている。また、データ構造とソフトウェアからなる構成の全体はPureDiskストレージプールと呼ばれ、Storage Pool Managerが全体の管理をする仕組みだ。
一方、PureDiskクライアントの側では、バックアップ対象データから重複部分を排除した上でPureDiskサーバへと送り込む処理が行われる。バックアップの対象となるのはディレクトリ(フォルダー)、ファイル、Windows System Stateのそれぞれで、どれをバックアップするかはWebベースの管理画面で個別指定するか、テンプレートで包括指定すればよい。バックアップの起動は、管理画面から手動で行うことも、あらかじめ作成しておいたバックアップポリシーの自動スケジューリングに任せてしまうことも可能だ。 重複データの排除は、バックアップ対象ファイルに含まれるセグメントと同一のデータがすでにメタベースに存在する場合に行われる。PureDiskクライアントはバックアップ対象ファイルのハッシュ値をメタベース内のオリジナルファイルのハッシュ値と比較し、同一ならコンテンツへの格納は省略、異なる場合は相違点だけを格納することでバックアップデータの容量を圧縮するのだ。 リカバリは、Windowsエクスプローラーでのコピー、Webブラウザでのダウンロードのいずれかの方法で行う。WebブラウザでのGUI画面では、フィルタリング機能、サーチ機能が利用できるから、ファイル単位で個別にリストアするのも容易だ。
バックアップとリカバリにVeritas NetBackup PureDiskを利用する最大のメリットは、高い効率を得られることにある。ファイルの再利用率にもよるが、バックアップデータの容量は従来比1/10から1/50程度にまで圧縮することができる。また、バックアップ処理に必要なネットワークの帯域幅は1/50から1/500に抑えられ、同時に稼働している他のアプリケーションに余分な負荷をかけることもなくなるのだ。例えば、アメリカ、インディアナ州の情報システム部(Indiana Department of IT)では、300個所に分散配置された400台のファイルサーバ/プリントサーバのバックアップにPureDiskを適用した結果、平均で99.74%もの重複排除率が得られたという。 重複排除の効果により、ネットワーク経由でのバックアップが可能になり、拠点などのリモートサイトでテープバックアップをする必要がなくなるので、管理コストも大幅に削減できる。世界最大級のサービスプロバイダーとして知られるEDS(アメリカ)では、ホスティングサービスにVeritas NetBackup PureDiskを組み入れたことにより、顧客企業のリモートオフィス向けバックアップストレージの要件を1/4にまで削減できると見込んでいる。 セキュリティに対する配慮も十分だ。バックアップデータは256bitの鍵を使う方式で暗号化されてからPureDiskサーバに転送/格納されるし、システム管理者にも参照やリカバリを許さないData Lock機能も備わっている。Webブラウザーでの処理は、httpsプロトコルベースだ。 PureDiskは、スケーラビリティと可用性も高い。メタベースエンジンとコンテンツルーターを複数配置すればクライアント数や容量の増加に負荷分散で対応できるし、複数のPureDiskサーバを構成しておけば障害発生時のフェールオーバーも可能だ。 企業に求められるバックアップ/リカバリ要件を統合的にサポートするNetBackup製品群――。重複データの排除に威力を発揮するPureDiskは、大規模ユーザー、オフィスを分散させている企業、データセンターなどにぜひ使っていただきたいデータ保護ツールである。 提供:株式会社シマンテック 企画:アイティメディア 営業局 制作:@IT編集部 掲載内容有効期限:2007年8月31日 |
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