伽藍とバザール

The Cathedral and the Bazaar

 1998年にEric Raymondによって書かれたオープンソースに関する論文。ソフトウェアの開発の方法論として、伽藍方式(Cathedral)とバザール方式(Bazaar)があるとし、Cathedralの例としてFSFを、Bazaarの例としてLinuxを挙げている。この文書は、Netscapeのオープンソース化に影響を及ぼしたとされている。

 Cathedralとは、設計者がすべての計画と体制を確立して開発する、企業などで一般的に行われている開発方式をいい、あたかも大聖堂の建築を行うがごとく厳かで大がかりであることを指す。これに対してBazaar方式とは、知らない者同士がバザーで売買を行うようにアイディアや技術、またはソフトウェアそのものを持ち寄って互いに交換しながら作り上げていくことを指していると思われる。

 Bazaar方式では、全体をとりまとめる責任者がいないにもかかわらず、それなりの秩序を保ったコミュニティが成立している。Bazaar方式が有効であるためには幾つかの条件があり、まず開発の最初から始めることは難しく、とりあえず何か動くものが必要であること、最初はそうでなくても、将来よいものに発展していくであろうということを開発候補者たちに納得させられること、また参加者の意見やアイデアを受け入れることができることが必要であり、コーディネーターやリーダーの対人能力やコミュニケーション能力が優れていることが不可欠であるとしている。

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