Kylix
カイリックス
Linux用のソフトウェア統合開発環境で、正式名称は「Borland Kylix」。Delphiと同じく開発言語にObject Pascalを採用しており、Delphi 6と組み合わせることで互換性の高いクロスプラットフォーム開発環境となる。
「Kylix」は、もともと1999年にインプライズ(現ボーランド)が開発を進めていたLinux用統合開発環境の開発コードネームで、当時は製品版の名称は「Delphi for Linux」になるともうわさされていた。Kylix Projectは予定よりも大幅に遅延し、当初はDelphiとC++Builder両方の機能を備える(つまり、Object PascalとC++に対応する)予定だったが、2001年に出荷が開始されたKylixはDelphi相当の機能のみを実現したものになった。C++Builder相当のLinux開発環境については、2001年6月現在開発中という以上の情報は公開されていない。
Kylixの特徴は以下のとおり。
- Delphiとほぼ同じ、コンポーネントベースのGUI開発環境
フォームにコンポーネントを配置してプロパティを変更、イベントに対するコードを記述するだけでGUIアプリケーションを構築できる。 - CLX(Component Library for Cross Platform)
Kylixから採用されたコンポーネント。その名のとおりクロスプラットフォームを前提としたフレームワークで、Windows用のDelphi 6にも装備された。CLXを使ったプログラムは、ソースレベルでKylixとDelphi間の互換性を高くできる。
- ソースレベルデバッガ
- Object Pascalとネイティブコンパイラ
Object PascalはDelphiでも採用されており、Kylixへの移行を容易にしている。KylixのコンパイラはLinux用のELF形式バイナリやシェアードオブジェクトを直接生成できる。
Kylixには、現在「Borland Kylix Server Developer」「Borland Kylix Desktop Developer」の2製品がある。また、2001年半ばにはオープンソース開発のみに用途を限定する代わりに無償提供となる「Borland Kylix Open Edition」が登場する予定。
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