IBM Championsが日本の技術者に語る、啓蒙活動、コミュニティ、パートナーシップとは王者たちの座談会

IBMのパートナープログラムの一環として展開されている社外エバンジェリストプログラム「IBM Champions」。今回、5月13日(火)に六本木アカデミーヒルズで開催される「IBM Software & Cloud Innovation」に登壇する1名を含む、日本の「IBM Champions」5名に、啓蒙活動やその意義、コミュニティ活動、そしてIBMとのパートナーシップなどを語ってもらった。

» 2014年04月14日 10時00分 公開
[PR/@IT]

 IBMは販売店、SIer、独立系ソフトウェアベンダーなどに、さまざまなパートナーシップのプログラムを展開している。その一環として「IBM Champions」と呼ばれる社外エバンジェリストプログラムもある。これは技術コミュニティやメディアなど公の場で、情報発信などの啓蒙活動を積極的に行って、周囲に大きな影響を与えている革新的なコミュニティリーダーを認定するグローバル制度である。

 IBM Championsに選ばれるのは、IBMの製品やソリューション、技術に通じ、高い技術力を持った技術者や開発者、ビジネスリーダーなどだ。任期は1年間。日本においては、「IBM Notes/Domino」(以下、Notes/Domino)をはじめとする「IBM Collaboration Solutions」(以下、ICS)カテゴリにおいて、6名のエバンジェリストがIBM Championsに認定されている。

 今回は、日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業本部 Collaboration Solutions事業部 第一テクニカルセールス 部長の松浦光氏にプログラムの概要を、またIBM Champions5名に、普段の啓蒙活動やその意義、コミュニティ活動、そしてIBMとのパートナーシップなどを語ってもらった。

松浦氏(一番左)とIBM Championsの面々「チャンピオン防衛を妨げるような人を待っています」

XPagesの最新情報を日本に広めたエバンジェリストたち

 IBM Championsは製品カテゴリごとに分類されており、中でもNotes/DominoやConnectionなどを含むICSカテゴリは、コミュニティ活動が活発な日本においても盛り上がっている分野である。

 「世界においては、過去1年間の実績を評価された75名の方が、IBM Champions for ICSに認定されています。そのうち、日本からは6名の方がメンバーに選ばれました。そのうちの4名は、2012年度から再認定された方たちです。世界的に見ても再認定を受けられた方は半分ほどですから、日本のコミュニティ活動が高く評価されていることが分かります」(松浦氏)

 IBM Championsの活動の場としては、まずブログやTwitter、Facebookといったオンラインメディアが挙げられる。この他にも、セミナーで講演を行ったり、書籍を出版したりとその活動はさまざまだ。

 例えば講演については、ICS製品群のうち「XPages」の啓蒙として、2012年と2013年に「XPagesDay」というイベントを開催し、IBM Championsも講演を行ったという。

チームスタジオジャパン テクニカル ディレクター 加藤満氏

 「セミナーの講演は特別なものですが、啓蒙活動というものは、日常的に行うべきものです。日々、入手した情報を広く発信するにはソーシャルメディアが最も適しています」

 そう述べるのは、チームスタジオジャパンでテクニカル ディレクターを務める加藤満氏だ。同社はNotes/Dominoのアプリケーション開発者向けに、開発を効率化するアドインツールを提供しているベンダーである。

 加藤氏がICSの情報を活発に発信するようになったのは、2009年ごろのことだ。日本においてXPagesの話が聞かれるようになったものの、ほとんど情報がない状況が続いた。

 「ところが海外に目を向けると、フォーラムなどで積極的に議論されています。そこでブログを始め、海外の情報を記事にまとめて国内の技術者向けに発信し始めました」(加藤氏)

ソルクシーズ ソリューション部リーダー 吉田武司氏

 同様に、IBM Championsに選ばれたきっかけが「XPagesにハマった」ことにあると述べるのは、ソルクシーズでソリューション部リーダーを務める吉田武司氏だ。

 「私は入社以来18年以上、Notesに関わっています。数年前にXPagesに出会って、これは面白いと勉強を始めました。せっかく覚えたことだからと、ソースコードを公開したりイベントで講師をしたりして広めていきました」

 エフでマネージャーを務める御代政彦氏も、長年Notesに関わってきた技術者の1人だ。

 「間もなくNotesに関わって丸20年になります。当初は運用管理、最近は開発に軸足を移しています。6年ほど前からブログを始め、Twitterを活用して情報を発信しています。社内に閉じた啓蒙活動が、ソーシャルメディアの登場で変化しました」(御代氏)

 ライトウェルの第1ソリューション部 グループウェアソリューショングループ 主任技師である畠中恒一氏は、さまざまなアプリケーション開発の中でNotesに深く関わってきた。

 「6年ほど前からノーツコンソーシアムの研究会に参加したり、イベントでスピーカーを務めたりしています。私も、さまざまな交流のきっかけとしてソーシャルメディアを活用しています」(畠中氏)

技術者を支援するIBM Championsのミッション

OSK SL本部 第一ソリューション部 カスタムソリューション1課 シニアテクニカルスペシャリスト 佐藤権一氏

 OSKのSL本部 第一ソリューション部 カスタムソリューション1課 シニアテクニカルスペシャリストである佐藤権一氏は、新たに選ばれたIBM Championsの1人である。

 OSKは、ソーシャルメディアの活動に制限を設けていたので、佐藤氏の啓蒙活動はオフラインがメインだ。同氏は、Notes/Dominoの開発者向けの書籍を執筆しており、これらは他のIBM Championsも認めるところだ。特に御代氏は、「ヘルプでは足りない部分を補ってくれる、開発者にとってないと困る本です」と高く評価している。

 加藤氏は、情報収集が遅れがちな国内の技術者に向けた情報発信を自身のミッションと捉えている。

 「例えば米国で発表された最新情報は、“セリフ”としては日本に伝わってきます。これをできるだけ速く、ちゃんと“腑に落ちる言葉”で紹介し、ギャップがないようにしていきたいのです」(加藤氏)

コミュニティへの貢献が技術者自身を育てる

 5人のIBM Championsは、「最終的には人と人とのリアルな交流が重要」としながらも、「ソーシャルメディアなどのオンラインコミュニケーションも有用だ」と述べる。

 「実際には初めて会う人でも、オンラインでさんざんコミュニケーションを取っているので、堅苦しいあいさつ抜きでどんどん話を進めることができます」(加藤氏)

 今回のインタビューに参加できなかったもう1人のIBM Champions、リコーITソリューションズの海老原賢次氏は、鹿児島から九州のパートナーコミュニティで、XPages の可能性を拡げる試みやブログなどのソーシャルメディアを有効活用して啓蒙活動を行っている。

日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業本部 Collaboration Solutions事業部 第一テクニカルセールス 部長 松浦光氏

 「コミュニティ活動もオンラインをうまく活用してコミュニティに貢献するスタイルが定着してきました。例えば、XPagesDayなどで、講師や受講者がいろいろなところからWeb会議で参加しています。距離や時間の制約も少なくなってきました。また、現在はアプリケーション開発者が中心ですが、営業やマーケティングなどの情報発信業務をやっている人たちにもIBM Championsに挑戦してほしいですね」(松浦氏)

 技術者にとって、こうしたコミュニティに貢献することのメリットとは何だろうか。IBM Championsに選ばれるメリットとは何だろうか。

 「コミュニティに参加すると、それまで社内に閉じこもっていた世界が外に広がります。外には、面白いことを考えたり悩んだり、協力してくれたり、相談できたりする人が大勢います」(吉田氏)

 「情報を探して受け取るだけより、ソーシャルメディアやブログを使って情報発信を行い始めることで大きくスキルアップするのです。そして、毎日浴びるように情報が入ってくるようになります。情報発信している者として周囲の認知度を高めることもできます。互いにつながっていくことの結果として、IBM Championsがあるのです」(加藤氏)

ライトウェル 第1ソリューション部 グループウェアソリューショングループ 主任技師 畠中恒一氏

 畠中氏は、現代はさまざまな情報に溢れており、勉強しやすい環境が整っている一方で、若い技術者に即戦力としての能力を求められてしまう現状に注目している。

 「私たち技術者は、よく“3K職”などと揶揄されますが、好きでやっている仕事なので残念な思いがあります。ぜひ、ソーシャルメディアを活用して勉強と情報発信をしてほしいです。そして、コミュニティに貢献することを自分のパワーとしてほしいですね」(畠中氏)

 IBM Championsに選ばれたからといって、IBMから過大に優遇されたり、ビジネスメリットが得られたりするということはない。しかしIBM Championsの面々は、認定されたことによって“人との出会い”が得られたことを実感しているという。

 最後に、IBMとビジネスをすることのメリットとは何かをIBM Championsに聞いたところ、次のようにコメントをくれた。

エフ マネージャー 御代政彦氏

 「開発者として具体的な優遇を受けたいのであれば、IBMのビジネスパートナーになるべきです。IBM製品を格安で入手して自由に使うことができます」(御代氏)

 「製品の検証やIBMイノベーション・センターの利用だけではなく、ハンズオンに参加もできるなど、ビジネスパートナーのメリットは高いですね」(畠中氏)

 他にも、技術者試験制度のキャッシュバックなど教育費用のサポートが受けられるところや製品の特長や販売方法をまとめたパートナー専用サイトの存在などが、それぞれビジネスに役立っていると述べられた。

5月13日(火)に六本木アカデミーヒルズで開催される「IBM Software & Cloud Innovation」では、IBMソフトウェアの事業戦略「SMACS」、パートナーシップ戦略、新しいビジネスチャンスの創出、加速、そして市場への拡大を、パートナーとともに実現するための最先端テクノロジと進化したソリューション活用を紹介。岸博幸氏を迎えるゲストスピーカーセッションや基調講演に加え、次世代クラウド・プラットフォーム「BlueMix」の紹介、パートナーの先進事例セッションも予定されている。

事例セッションでは、本稿の座談会に参加したチームスタジオジャパンの加藤満氏が講演するので、IBM Championに会いたいという方をはじめ、ビジネスの成長を共に目指す方は本イベントには参加してみてはいかがだろうか。


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提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年5月13日

5月13日(火)に六本木アカデミーヒルズで開催される「IBM Software & Cloud Innovation」では、IBMソフトウェアの事業戦略「SMACS」、パートナーシップ戦略、新しいビジネスチャンスの創出、加速、そして市場への拡大を、パートナーとともに実現するための最先端テクノロジと進化したソリューション活用を紹介。岸博幸氏を迎えるゲストスピーカーセッションや基調講演に加え、次世代クラウド・プラットフォーム「BlueMix」の紹介、パートナーの先進事例セッションも予定されている。

事例セッションでは、本稿の座談会に参加したチームスタジオジャパンの加藤満氏が講演するので、IBM Championに会いたいという方をはじめ、ビジネスの成長を共に目指す方は本イベントには参加してみてはいかがだろうか。

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